大学生のための経験学習② ~学生へのお話③
土曜日のAAA3.0(慶應義塾大学商学部の3人の先生が中心となった実務家と学生も交えた学びの会)では、2つの発表がありました。最初のものは、大学4年生から「効率的な研修マネジメントについて」という卒論テーマを扱ったもので、管理会計・シェアードサービスを学んできた学生がその観点から研修マネジメントをとらえるという意欲的なテーマにチャレンジして、なかなか面白い内容になっていました。そしてもう一つは某人材育成ベンダーの方から「企業における人材育成の潮流について」というテーマでの発表です。誤解をされるといけませんが、この会、別に人材育成をテーマにした勉強会ではなく、たまたま今回はテーマがかぶっただけです。

「企業における人材育成の潮流について」の話の中で、経済産業省の「平成21年度就職支援体制調査事業」の報告書からの引用がありました。これは、日本人学生が自分に不足していると思う能力要素と、企業が学生に不足していると思う能力要素を比較したものです。顕著に差異があるものが、いくつかありニヤリとさせられます。

企業が不足していると認識している割に、学生はそう感じていない項目(それぞれが不足していると思っている比率です)

コミュニケーション能力 ⇒ 企業19.0%、学生8.0%
主体性 ⇒ 企業20.4%、学生5.6%
粘り強さ ⇒ 企業15.3%、学生3.0%

学生が不足していると認識している割に、企業はそう感じていない項目

語学力 ⇒ 学生16.5%、企業0.4%
業界に関する専門知識 ⇒ 学生11.8%、企業1.0%
簿記 ⇒ 学生10.2%、企業0.1%

すさまじい勘違いが学生側に生じていますね。もちろん企業が学生の語学力に満足している結果というわけではありません。要は、学生に最低限満たして欲しいことが、大学や学生にきちんと伝わっていないということです。就職準備で語学や簿記を学ぶのは立派なことです。ただ、それよりも大切なことがあるわけです。

コミュニケーション能力、主体性、粘り強さというのは、教えられて身につくものではありません。こういった力を身につけるためには、まずは何よりもそれが求められていることが認知されることと、大学生活の場でそれらが学べる仕掛けを用意することでしょうか。簿記の講座ばかりをやるのは逆に大学生をミスリードします。

ここで昨日のブログの話(経験学習)に戻ります。
やはりこれも「経験学習」のサイクルをまわすことが一番でしょう。もちろん大学は就職予備校ではありませんから、企業が求めることにいたずらに対応する必要はありません。しかし、例えばこの調査で企業側が求めているコミュニケーション能力、主体性、粘り強さというのは、大学で良い研究をするためにも実にプラスになる要素でしょう。

もちろん入社時に語学も簿記もでき業界知識も持っている人材がいるのはありがたいことです。ただ特に新卒採用では「伸びしろ」が大切です。「伸びしろ」がある人材とは、経験から学ぶ力がある人、経験学習のサイクルを自らまわすことができる人だと思います(それに加えて地頭は良いにこしたことはありませんが、地頭力というのも実は実態を把握するのが難しいものです)。

学生時代の経歴はちっとも華々しくなく、入社時も少々バッとしていない新人だったのに、しばらくたつとメキメキと成長してくる人がいるというのは、若手育成担当者であれば結構、経験することではないでしょうか。彼ら彼女らは経験から学ぶ力が高いのではないかと思います。そして、そんな人材を採用した新卒採用担当者は鼻が高いですね。

《2012年1月16日》 少々体調が低下気味で、打ち合わせでも自己評価的に精彩を欠きました。もったいないことです。今日は早目に寝ます。明日は5時前に起きなきゃいけませんし。
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