判断と決断…決めるには2つのタイプがある① ~学生へのお話⑫
先々週の土曜日からずーっと書き続けている採用活動で学生に話している小ネタ・シリーズですが、そろそろ飽きてもきたので最後のお話にします。この話は昨年の採用セミナーのおしまいに必ず引用しました。もともとは慶應義塾大学の花田光世先生からキャリアラボのスーパービジョンの際に伺った話です。

かなり前にブログでも整理していますのでご参照ください。

《2009年4月8日》就職活動における決断と判断

昨日の「釜石の奇跡」の話にしても、自分の頭で主体的に決定するということは、就職活動だけでなく、これから生きる上で実に重要なことです。
就職活動ではものすごい情報が押し寄せてきて、他者の都合でスケジュールが勝手に動く中で、学生は翻弄されつつも、多くの「決定」が求められます。これからは逃げることができません。

一番大きな決定は、複数内定をとった場合にどの企業を選択するか、でしょうが、院に行くか、教職はどうするか、公務員を狙うかといった進路上の選択もあります。さらには、どの企業にエントリーを出すか、セミナーがかぶったがどっちに行くか、エントリーカードに何を書くか、セミナーで座席はどのあたりに座るか、質問はしたいが手をあげるか、面接でのこの質問にどう回答するか、とにかく1つ1つで決定が求められます。ある意味、これは社会にでるために非常によい訓練の場です。

そして、「決める」という行為には2つのタイプがあるのです。
それは、「判断」と「決断」。ごくごくシンプルに花田先生からいただいた区分を書いておきます。

「判断」とは………合理的な意思決定。
「決断」とは………自分自身が最終的に意思で決めること。

つまり合理的にロジカルに決定できるのが「判断」であり、「決断」とは必ずしもロジカルなものではなく、意思をもって決めること。すなわち正解などない世界、ということになります。

「判断」も「決断」も難しいのですが、「判断」というのはいわゆる地頭が良い人であれば、それなりにできます。しかし「決断」はそうはいきません。頭の良さだけでは乗り越えられないものがあります。

実社会ではこの双方が求められます。
「判断」は仕事の中で日々求められるといっていいでしょう。そして「判断」は訓練と経験によってある程度は上手になることができます。ある種のセオリーがある世界です。これが適切にできる人は「切れる奴」と呼ばれることもあるでしょうし、何よりも効率的に仕事ができます。でも、こういった人が伸び悩むこともあります。伸び悩みの1つのパターンは「判断」はできるけれども「決断」ができないというパターンです。一般的に、立場・役割があがると「決断」の機会は増えます。合理的には決められないこと、過去のデータだけでは決められないことを決めなければならないということが増えてきます。ここを乗り越えられるかは、成長の1つのポイントです。

でも「決断」が必要なのは何も上位役職者ばかりではありません。新入社員にしても「決断」の機会は日常的に発生します。新入社員が一番最初に経験する典型的な「決断」は、何かミスをしてしまったときに先輩にきちんと報告するか、うやむやで逃げようとするかの決断です。よほど大きいミスの場合は誰でも相談する以外にないと「判断」できるのですが、これって意外と難しいのです。それは、ばれる確率がよくわからないからです。ばれなければ得られるメリットが多いため、相談しないという「判断」はありえます。でも、悪いことはとにかく報告しなさいと新入社員研修で教わったよななどということも思い出します。で、なかなか合理的な意思決定は難しいわけです。

就職活動の結果、この企業に入ると最終的に決定することはまさに「決断」の世界です。
メリット・デメリット分析をして、各要素をポイント化して点数比較をして、そんな合理的なアプローチでも結論はでます。それに基づいて「判断」で行き先を決めることは可能は可能です。でも、合理的な意思決定とは、意思決定ができるだけの材料が集まることが前提となります。就職活動でそれだけの材料を集められるでしょうか。よほどの長期のインターンシップをしてもそれはなかなか困難です。人によっては、親に何を言われても、友達に何を言われても、この会社に行くと自分で決める人もいます。これはあきらかに「決断」です。もちろん、いずれにしても結果は保証されるものではありません。

今日でこのシリーズは終わりのつもりだったのですが、長くなったので明日に続くこととします。

《2012年1月25日》 キャリアデザイン学会企画運営委員会。今年の大会は9月に仙台でやりますよ。


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