「それは著作物ですか」
昨日は中味にふれられなかった【fʌ'n】の第2回目「学びの場・教材のデザインと著作権に関する研究会」での福井健策弁護士のお話について書き残しておきます。

私たちは無意識に著作権を侵害していないか、これは学びを提供する立場としては、結構不安になる要素です。事前に参加者から寄せられた「そんな不安」のアンケートに基づいて、7つのケーススタディを行いました。すべてのケーススタディについて、「法的にはどう考えることができるでしょう?」「あなたなら、どうしますか?それはなぜですか?」という問がきます。

法的に判断ができるためには、著作権というものを理解することが必須です。福井先生はわずか30分という時間で、これを見事にレクチャーされます。天才的です。

考え方のプロセスは以下のとおりになります。

1.「それは著作物ですか」

つまり、今そこで問題になっている対象物は著作物かどうかです。著作物でない限りは、当たり前ですが著作権は発生しません。

著作物の定義は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」だそうです。 ここで大切なのは、何よりも「創作的な表現」ですね。ですから、「それは著作物ですか」という問は、「それは創作的な表現含んでいますか」という問に近いことになります。

さて、「創作的」に行く前に少し寄り道を。「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」とありますが、要は「人が創作した情報」が著作物であり、著作権とは情報に対して及ぶ権利なのです。では、まずはこの対象となる情報についてみてみましょう。これには、9つあるそうです。

①小説・脚本・講演等、②音楽、③舞踏・無言劇、④美術、⑤建築、⑥図形、⑦映画、⑧写真、⑨プログラム、となります。これにあたるかどうかですね。ここで面白いこととして、例えば「舞踏」であれば、振り付けが著作物であり、踊り手ではないこととか、いろいろ細かい話があります。

そして、次に「創作的」です。これから除かれる5種類の情報というのをまた教えていただきました。

① ありふれた表現・定石的な表現
② 事実・データ
③ アイデア(企画案、基本的な着想、技法、~風)
④ 題名・名称
⑤ 実用品のデザイン

これらに該当すると「著作物」ではない可能性が高いということになるんですね。特に着目すべきは、アイデアは著作物ではないのです。企画案、着想、技法もそうです。仮に○Cがあっても、それは1人よがりだということになります。あまりに明快な話に、ちょっとびっくりしました。アイデアを著作物としないのは、人類の文化の発展を望んだ結果なのかもしれません。がちがちに囲い込むのではなく、よいアイデアは囲い込まずに皆で発達させるのがよいという思想が根底にあるのであれば、これってすごいですね。著作権、やるな!という感じです。

2.「著作権は何について禁止しているのか」

著作権はなんら手続き・登録をせずに守られるものです。創作すれば自動的に発生します。で、問題は何に対して禁止しているのかです。逆にいえば、禁止していないものについては、関係ないということになります。逆に、「著作物」と認められるものが、下記のいずれかに該当すれば、これはアウトに近づくということがあります。

複製権、上演権・演奏権、上映権、公衆送信権(プログもここに入ります)、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権・翻案権等、二次的著作物の利用権

これは結構、広いです。これらに該当するものについては、「私に無断で使うな」ということですね。そして、民事だけでなく、最大で懲役10年という刑事罰もあるとのこと、これは考えてもいませんでした。

実は著作権法は1970年に制定された法律だそうです。当時と比較すれば、「複製」なんかものすごく概念が変わっていますよね。

3.「例外的に許可のいらない場合に該当しないか」

これで一番有名なのが「私的使用のための複製」ですね。
他に「引用」「非営利目的の演奏・上映・貸与等」「政治的演説等の利用」「時事の事件の報道のための利用」「公開の美術の著作物等の利用」というのがあるそうですが、だんだん難しくなります。

この中で私たちが強く意識すなければならないのが、「引用」です。ある意味、このブログもいろいろと引用しまくっていますが、著作権法第32条における「引用」にあたれば、それは著作権の侵害にはならないということです。

で、何より大切な「引用のポイント」ですが、これについては長くなったので、明日に続きます。

《2012年2月11日》 先週末に引き続き、新卒会社説明会3回興行。来週末は大阪興行です。






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【2012/02/11 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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