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【fʌ'n】引用のポイント
WOWOWの素敵なスペースで開催された【fʌ'n】の第2回目「学びの場・教材のデザインと著作権に関する研究会」での福井健策弁護士のお話について昨日から書き残しています。

私たちは無意識に著作権を侵害していないか、これは学びを提供する立場としては、結構不安になる要素です。事前に参加者から寄せられた「そんな不安」のアンケートに基づいて、7つのケーススタディを行いました。すべてのケーススタディについて、「法的にはどう考えることができるでしょう?」「あなたなら、どうしますか?それはなぜですか?」という問がきます。

著作権の侵害になるか否かを判断するためには、まずは「それは著作物ですか」 という問いがありました。ここで最もキーになるのは、「それは創作的な表現含んでいますか」という視点です。アイデア、技法、企画案は「創作的」とはいえないという衝撃(?)の指摘がありました。

次に「著作権は何について禁止しているのか」を理解する必要があります。禁止しているものに該当しなければ、関係はないわけですから。でも、これは結構広くて、多くのものが該当しそうです。

そしてもう1つ「例外的に許可のいらない場合に該当しないか」 という視点です。例えば、よく知られているように「私的使用のための複製」は認められるわけです。

そんな「例外」の中で私たちが最も理解するべきなのが著作権法第32条における「引用」です。これは法文に明記されているわけではないようですが、過去の裁判例などから、6つのポイントがあると福井先生は指摘されていました。下記の条件に合致する「引用」であれば、著作権の侵害にはならないと判断できるだろうということです。

①公表作品であること
②明瞭な区別がされていること
③主従関係
④必要性・必然性
⑤改変はできない
⑥出典を明記する

私たちが何かを引用するケースは非常に多いです。その場合、この6つのポイントを意識してクリアする必要があるわけです。ただ、時にこれは結構難しい場合もあります。「②明瞭な区別がされていること」ということは、自分の作品の中に他人の作品を混在させないということになりますが、自分の頭の中でこれが混在一体となって認識がきちんと区別できていないケースもあるでしょう。「③主従関係」というのは、質・量ともに引用の方が「従」であることが求められるわけです。ゴーマニズム宣言事件では10%の量はOKだったと伺いましたが、その数値が基準になるということではありません。人の作品の鑑賞が目的になるような引用の仕方はNGだそうです。そのため白黒写真や小さな写真で引用するなどの工夫をしているケースも多いといいます。

神経質になったところで、改めて振り出しに戻って考える必要もあります。それは「果たしてそれは著作物であるのか」という観点です。著作物でなければ、いかなる引用をしても著作権侵害にはなりません。

こんな視点をもって7つのケーススタディをやりましたが、世の中そうそう綺麗に著作権だけでの討議はできません。映像であれば、肖像権が絡んでくるケースがあります。また、そもそも当事者間契約はどうなっているのかという点も大切です。さらには、著作権者が広く広めることを是としているのかどうかということもあります。はたまた、営業的見地という価値観も入り込んできます。現実にはこういったことがごちゃ混ぜになって判断するわけですが、よりクリアな判断をするためにも、「著作権の見地ではこうです」という点が明確になっていることは大切なことです。

《2012年2月12日》 半月ぶりに出社しない1日。ということで山ほどやることが蓄積しておりました。でも、自宅で仕事や勉強をしていると不思議に落ち着くんですねぇ。





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