女性活用成功の分水嶺
HRmicsレビューで海老原さんの「女性にキャリアがなくて、日本に未来があるか」という渾身の話をききました。2度ほどここにも書きましたが、書き残したことをさらに整理してみます。

男性社会が強固にはびこる大企業でありがちだったパターンから行きます。

優秀な女性を採用したが、上司・先輩・同僚・後輩・関係部署・顧客、すべて八方を男性に囲まれる中で仕事をせざるをない環境。実はホワイトカラーの仕事は職人仕事以上マニュアル化がしにくいし、できていない。そして研修で教えきれるものではない。その仕事に特有のツボを経験の中から取得していくことがどうしても求められる。その結果、新人育成では先輩が背中を見せて教えるというスタンスが強くなる。叱り、連れ回し、飲みながら教えるというのが伝統的なパターン。でも、これは女性相手には難しい。まず可哀想だという感覚が出るし、また何となく気まずく感じることもある。その結果、比較的女性の多い部署(女性配属の4R=IR、HR、PR、CR)に配属をするといったことや、可能な範囲内でマニュアル化・システム化を進めるといった小手先で逃げるケースが多かった。

これでは絶対に拡大しませんね。そんな中でもスーパーウーマンのような人は何人か生まれるでしょう。でもそうした少数成功者をロールモデルにすると、なおさら普通の人は無理だよねと疲弊してしまいがちです。一律基準で女性を抜擢したり、象徴的な抜擢人事などをしてみても、そんな状況の中ではけしてプラスにはならないでしょう。というのが、海老原さんの整理です。

海老原さんらしい切り口ですね。私も同感なのですが、この問題への最高の処方箋は女性の大量採用に他なりません。「30%」という数字を海老原さんは出していましたが、そうかもしれません。「50%」いけば文句ないでしょう。ある量になると、何と言っても特別扱いはできなくなります。極端な少数派ということでもなくなるので、当の女性も萎縮しにくいでしょうし、逃げ道も作りにくくなります。

特別扱いしないというのには、2つの意味があります。まずは制度適用面での平等というような意味で、勤務地の配慮、業務内容の配慮をしないことです。もう1つは現場運用的な部分、平気で厳しく叱る、必要があれば飲みにも連れ歩く、とにかく同じようにやるわけです。この2つが必要です。

私が今いる会社では、新卒では女性の方が若干多いくらいであり、勤務地・業務内容等はまったくなんら差はありません。今では大学では何ら性差がなく取り扱われているケースが多いように感じます。そういう人にとっては特に違和感は何もないはずです。逆に大学までに男性と女性の役割意識を意識しているような人には、入社後すぐに男女同一の意識を徹底する必要があります。

いずれにしてもけして難しい話ではないのですが、やはり大企業では歴史が邪魔をしているのでしょう。

ただ、考慮しなければならないのは、育児・出産のステージです。ここばかりは、男女をまったく同じにできないのは明白ですから、この切りわけをどうできるかが、真の女性活用を考える上では大切になります。ジャブジャブに育児支援施策を入れればいいわけではありませんが、ベビーシッター手当のような家庭を切り離す手当の充実が正しいわけでもないでしょう。

結果、ぶらさがり意識が生まれてしまっては、本当の女性活用にはなりませんし、いつまでたってもスーパー・ウーマン天国というのも明らかに限界があります。いつまでたっても、この落としどころには難しいものがあります。まさに正解がない世界なので、自社に適したレベル感を自ら図る以外はありません。ただし、そのためにも他社との情報交流は逆に大切になりますね。

《3月11日》2時46分、黙祷は自宅でした。
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【2012/03/11 23:03】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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