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特例子会社の意義
障害者雇用率制度において、障害者の雇用率1.8%の実現が個々の企業毎に求められています。これを現実的に促進するため設けられているのが「特例子会社」制度であり、企業が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の条件を満たした上で、障害者の雇用の促進と安定をはかることが認められています。この場合、その特例子会社に雇用されている障害者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定することができるようになります。さらに、特例子会社を持つ親会社については、関係する子会社も含めて、企業グループによる実雇用率の算定が認められています。これをグループ適用といいます。

障害者雇用においては、ノーマライゼーションという考え方があり、これは障害者と健常者とが区別なく、共に仕事をすることが望ましい姿であるという考え方です。これを否定するわけではありませんが、現実的に特例子会社のメリットを注視することは必要です。私も今の企業で1年3カ月前に特例子会社を設立しました。これは明らかに正しい選択であったと今でも確信しています。

特例子会社の最大のメリットは、障害の特性に配慮した仕事の確保と、職場環境の整備が可能になることです。これによって、障害者が無理なく自分自身の力を発揮することがしやすくなります。また、労働時間や労務管理など、1人ひとりにあった弾力的な運用をしやすくなります。さらには、障害の特性をよく理解した管理者を配置することができ、管理者が行政や支援センターや家族とパイプを持つことにより、1人ひとりの働きをサポートしやすくなります。こういった機能をすべての一般の管理者に課すのは、事実上、極めて困難です。また、財務的な支援として、各種助成金を活用することも可能です。

2002年6月に119社であった特例子会社は、2011年6月には319社と大幅に増加しています。この間に特例子会社が雇用する障害者は3205名から10883名と3倍ほどになっています。障害者雇用率の上昇に対する特例子会社が果たした役割は非常に大きなものがあるわけです。この中で特に顕著に増加しているのは、知的障害者であり、同じ期間に7倍もの増加を果たしています。残念ながら特例子会社制度がなければ、今のような知的障害者の皆さんが仕事をするという世界は作れていなかったといえます。

福祉の世界ではなく、企業のビジネスの世界で働いて、貢献して、成果を出して、感謝されて、給料をもらうという労働本来の喜びを得ることができる人を1人でも増やすことは大切なことだと思います。

私が経営している特例子会社は、精神障害の方の雇用を重視しています。まだ多くの特例子会社が精神障害の皆さんを多数雇用することには二の足を踏んでいます。知的の分野で果たしたことを精神の分野でも是非果たすために、精神障害の皆さんの雇用を検討している方々に、見学に来ていただけるような成功事例を積み重ねることも私たちの隠れ使命です。


《2012年4月1日》 靖国神社に行ってきました。ここには東京の開花宣言を決める「標準木」といわれる桜があるのですが、初めて見てきました。これに5~6輪の花が開くと「開花」を宣言するのだそうです。まあ、全体的にはほとんど桜なんか咲いてませんでしたけど。そのあと、神楽坂を散策し、泥酔して帰宅しました。
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【2012/04/01 21:32】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
これは私個人の見解ですが…。

特例子会社の価値は、雇用の確保/維持と品質の安定であることは言わずもがなですが、それだけではなく付加価値を持ちたいと思っています。
例えば、親会社、グループ会社に対する雇用ノウハウや、障害者雇用に関する知見の継承など。

特例子会社は確かに制度や設備面では障害を持つ人にとって働きやすい環境かもしれません。
だからと言って、雇用を、特例子会社任せにしてしまうのではなく、自社/グループ会社でも雇用を推進し、特例子会社は雇用の維持/確保はもちろんのこと、自身の持つ付加価値をグループ内に広めていけるようなハイブリッド型でありたいなぁ、と、そんなことを考えています。

遊びに行きます、と言っておきながら全然実現できていませんが、今年こそ!
いろいろと情報交換させてください!
【2012/04/02 00:21】 URL | 三日月姫 #-[ 編集] | page top↑
三日月姫様、ありがとうございます。同感です。この問題、きちんと一度、議論したいと思いますが、めざすべき「付加価値」はたぶん、特例子会社によって違ってくるんだと思います。それが、ある意味、特例子会社の企業戦略なのかなとも思います。「当社は特例子会社である前に、株式会社です」という自社紹介の仕方をするのですが、各ステークホルダーのために力強く継続していくのが何よりもの経営者の務めです。親会社の扶養家族ではそれは成り立ちませんから、必死に付加価値をつけなければなりません。それはそうと最近「特例子会社の3年問題」というのを考えています。3年をはるかに超えている御社に是非、いろいろと教えてほしいです。
【2012/04/02 23:20】 URL | じぇい #-[ 編集] | page top↑
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