ミドル論~透明人間とプレートテクトニクス理論から
昨日はサウスタワーのリクルートさんにて『Worksの続きの話をしよう』と称する「Works」読者の会、20数名のこじんまりとした素敵な会です。

テーマは少し前の号で特集されていた「ミドルの活性化と自己信頼」。このテーマで参加者同士で対話をします。知った顔もちらりほらり、とっても久しぶりにお会いする方もいました。私は30分の遅刻、実はこの会、素敵なワインを飲みながら進めるのが魅力なのですが、すでに冒頭のなごみタイムは終わり、自己紹介に入っておりました。

さて「ミドル」の問題ですが、私にはなかなかすっきりといきません。年齢と昇進がゆるやかとはいえ相関していた昔の時代においては、「ミドル」とは年齢層でもあり職位層でもあったのです。そしてゆるやかにではあるもののこれが堅持できている日本企業もまだ多くあります。「Works」誌は便宜上年齢で整理していましたが、35歳から49歳がミドルだといいます。ということは、49歳11カ月の私としてはあと1カ月のミドル人生だということになります。そして、一夜にしてミドルからシニアに生まれ変わるのです。これはなんともすっきりしませんねえ。

で、ワークショップの最初に「ミドルを何か生き物に例えて絵を描きましょう」とのお題が出ました。皆さん、いろいろなものに例えておられますが、なんとなくネガティブなイメージが強いようです。会場にいた人の3分の2以上がミドルでしょうか。

で、私が描いたのは「透明人間」。
とはいってもこれは透明なので描けませんので、例の昔の映画なんかでありそうな包帯をぐるぐる巻いて輪郭を表現している奴です。私の主張としては、「ミドル」なんて実態がない。いまや年齢と職位なんか一致しない。生物学的にも40代後半で第一子を育む人もいるし、孫ができる人もいる。ましてや独身だって当たり前。要するに年代モデルというのは、意味がないというか、議論をミスリードするだけです。でも、集団的人事管理に慣れた人事部やマスコミは、どうしてもカテゴライズしてタイトルをつけて…というところから離れならないのです。それはそれで便利なところは間違いないのですが、もうそろそろいいんじゃないか、もっと個人にフォーカスを当て始めてもいいんじゃないか、などと思ったので「透明人間」になったわけです。そもそも見えないものに無理に輪郭をつけているのが、ミドル論なんじゃないかということです。

途中でWorks研究所の笠井研究員から、「自己信頼」についての研究データの発表がありました。自己信頼とはWorks研究所の造語なのですが、なんとなく意味は伝わりますよね。この自己信頼をいかに持っているかという年齢相関グラフが提示されたのですが、見事に40代が底になるV字グラフになります。これをみて多くの方の解釈は40代はやはり課題のある世代であり、人事として何か対応を考えなければならないといったことになるのかもしれません。でも、単純にこのグラフだけをみると、40代はウハウハの時代だと私には入ってきました。グラフ上ではなんといっても50代60代70代とこれから「自己信頼」はあがるばかりなのです。どんどんいい時代がやってきます。今をしのげばあとはあがるだけなわけです。まさにウハウハですね。

その後グループディスカッションに移りますが、40代ウハウハ説については誰一人感覚的には受けられられません。私も同様です。ひょっとするとこのグラフは年代差をあらわしているのではなく、世代差をあらわしており、10年後には50代がボトムになるのではないか…、などという今の40代にはとても悲観論な解釈も出て来ます。

でも、嬉しいのは20代30代の数値が結構高いこと、彼ら彼女らは未来にけして悲観はしていないと考えられるのです。ただそこで笠井研究員から「このデータは有職者のみからとっているので無職の若者が入った場合、どんなグラフになるのかは何とも…」と冷静な発言が来ます。

そんな議論の中で、プレートテクスニクス理論をミドル論に流用する意見が出ます。日本近海では比重の重い太平洋プレートが、比重の軽い北アメリカプレートにもぐりこんでいます。そこで生じるひずみによるプレートのずれを補正するために地震が起きるわけです。なんてことを小学校の頃に亡き小松左京の「日本沈没」で読んで驚愕したものです。

ミドルは今はもう幻でしかない既存の価値観をまだ背負っています。40歳くらいには管理職になるよね、とかいう価値観です。だから漠然とした期待と現実とのギャップが40代を元気でなくしているのではないかというのがこの話の前提です。ミドル以降の世代はすでにそんなこと期待するもんじゃないよ、と割り切り、開き直っている、もしくはそんなことがモチベーションになんて微塵もならないという人たちも多く生まれています。そして現実は間違いなくそう変わっているのです。そんなギャップの真っ只中にいるミドルは、大陸プレートのぶつかり合う場所に位置しているというメタファーがこの議論です。

いずれにしても、私個人としては、あと残り1カ月しかないミドルライフをしっかりと謳歌したいと思います。

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