心地よい場は… ~【ちゑや】暖簾分けLIVE
もうだいぶ日がたっちゃったのですが、先月末にあった【ちゑや】<暖簾分けLIVE0725>のテーマは、直球ど真ん中で「組織内の対話」「本音と本気を仕掛ける」でした。暖簾分けを受けようという人たちが集まっているのですから、何らかの目的で組織内での対話促進を仕掛けようと皆、思っているわけです。非常に濃い、話し合いが繰り広げられました。そして、実に愉しかったです。ありがとうございました。

「対話」「ダイアローグ」という言葉が、人事の世界で一般化してから、まだ数年ですよね。中原先生と長岡先生による「ダイアローグ 対話する組織」がダイヤモンド社から発刊されたのは、2009年2月26日です。

この本の中では、雑談・対話・議論を次のように3つに定義分けしていました。すごくわかりやすいです。

雑談:【雰囲気:自由なムード】の中での【話の中身:たわむれのおしゃべり】
対話:【雰囲気:自由なムード】の中での【話の中身:真剣な話し合い】
議論:【雰囲気:緊迫したムード】の中での【話の中身:真剣な話し合い】

もちろんこれらは三択の存在ではなく、一つのミーティングの中で、対話モードと議論モードを使い分けるなどといったこともありなわけです。

で、話は【ちゑや】<暖簾分けLIVE0725>に戻ります。
当日改めて問題提起したのですが、何となく最近の「対話」ってのは、ゆる~い、気持ちのいいものという文脈で語られ過ぎているような感じがします。ワールドカフェなんかの影響でしょうか。単にゆる~い、気持ちのいいものってのは、チーム形成期やメンタルヘルス向上には役立ちますが、どうもビジネスには必ずしも発展的でない、そんな気がしてしまいます。そこで、繁さん(【ちゑや】ご店主)は今回、「本気」というのをテーマに持ってきています。

気持ちがいい場というのは、いつしか気持ちの悪い場に変わってしまうリスクを常に持っています。典型的なのは当人たちは気づいていないけれども、知らず知らずのうちに仲間内の閉ざされた寄合になることです。対話のセクト化です。また、メンバーが「ぬるさ」に気づかないというパターンもあります。精神安定的にはいい場なのですが、新しいものを生むことはできなくなります。繁さんのこれまでの取り組みは、こうならないようにもよく目を配っているなと思います。

事前シートにて、繁さんからは、社内のこうした場つくりに本気で取り組んでもらうためには何をしているか、何が必要かというような問がありました。

改めて考えたのですが、細かいテクニックよりも、やっぱり何よりも自分が本気になることですね。だいたい何かをやってうまくいかないのは、自分がほんとの意味で本気になりきっていないときです。でも、本当の意味で本気になるっていうのは、すっごく難しいことなんです。そして、すべてに本気になると自分が持ちません。

ビジネスを促進させるためには、いい意味でギスギスした対話が必要のように感じます。ギスギスした会話に耐えるには、本当の意味で本気でなければ無理です。おそらくベンチャー・ビジネスの立ち上げ期というのは、夜を徹してそんな対話が繰り返されているのではないでしょうか。何か新しいことを生むというのにはそういったエネルギーが必要なのです。そういった新興企業(そして新興国!)に負けずに、私たちの企業が存在し続けるためには何をすればいいか、これが常に課題です。

さあ対話をしようよ的な場つくりは、今ややらざるをえないくらいの対話欠乏症の組織が増えているという事実があるようですから、これは間違いなく必要なわけです。でも、ベンチャー企業では普通の日常に対話があふれているんじゃないでしょうか。そして、それはゆるい対話ばかりではないはずです。大組織がゆるい対話を愉しく組織内で広めることによって、果たして新興企業(そして新興国!)に勝てるのか、ついそんなことを考えます。でも、そこで思考停止になって何もやらないのよりは、何かをやろうとすることは300倍はいいことです。

さあ、対話をしようよ、というパターンの対話の場づくりをする役割の人は、気をつけないと参加者によい対話をしてもらうことが「目的」になりかねません。でも、「よい会話」とは何なのか組織で定義するのは難しいものですし、定義されずに場つくりは進んでいると思います。また、そもそも企業において対話自体が「目的」になるわけがありません。では、対話は「手段」なのかといわれるとそれもしっくりと来ません。となると対話って何なのでしょうか。強いていえば、「環境」でしょうか。

【ちゑや】<暖簾分けLIVE0725>は、実に気持ちのいい場でした。私たちはたくさんの気持ちのいい場をつくりたいと思います。社内でも社外でも。でも、繰り返しになりますが、気持ちがいい場というのは、いつしか気持ちの悪い場に変わってしまうリスクを常に持っていることは忘れてはいけません。そして、そういった心地よい内部にいる人にとっては、その気持ちの悪さに気づかないことがおうおうにしてあるのです。
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【2012/08/05 22:26】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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