歯科医で学ぶ合理的な意思決定論
今日も歯医者で判断に迷った件。

診察台に横たわると歯科医がまず質問をします。今日は麻酔はしますか?痛ければしますけどどうしましょうか?

なかなか難しい判断です。「痛ければ」といいますが、治療前なので痛いのかどうかよくわかりません。わからないものを判断するのは難しいです。

でも、大人ですから、そんな中でも判断をしようと瞬時に頭は回転します。医師自らが判断をせずに患者に判断を委ねるということは、たぶんそんなに痛いという患者はいないのだろうと推察できます。これは「麻酔は要りません」という十分な理由になります。
麻酔をした場合よりも麻酔をしない場合の方が、おそらく歯科医はより丁寧な仕事をするのではないかという期待もあります。麻酔をすると雑に扱っても痛くないですから、ぞんざいに扱われるリスクがあります。そうなるとやはり「麻酔は要りません」という方が得られる成果は大きそうです。
さらにこういうご時世ですから、たいしたことがない治療でも患者が「痛い」とわめきたてると面倒だから、一応どんなケースでも確認をしているのではないかという見方もできます。本当に痛いことが起きそうなときは、医師の判断で当然のように麻酔をするものの、そうでないときも一応は確認するというコンプライアンス指針が導入されたのかもしれません。であれば、そんな指針に付き合う必要はないので「麻酔は要りません」が妥当な判断のようです。
この歯科医では麻酔は昔ながらの注射でするとのことです。これは指されるときはきっと痛いです。そして、あとあとも変なしびれ感が残って嫌な感じですよね、きっと。これは「麻酔をお願いします」というともれなく実現される未来です。「麻酔は要りません」といった場合に、これ以上に痛いことが起これば、麻酔をしていた方がよかったということになるのですが、こればかりはわかりません。でも、「麻酔をお願いします」といえば漏れなく痛みはついてくるのです。この点からも「麻酔は要りません」の判断に分配があがります。
そして、冷静に考えれば何よりも、治療中に痛くなったら途中で麻酔をかけてもらうことだってできるのです。ですから、最初から麻酔をかける必要はよほどのことがなければないはずです。

診察台の上で瞬時に上記のような多面的な判断をした私は、「麻酔は要りません」と歯科医に伝えたのでした。

ここでもう1つ、このお話には大切な要素があります。
この質問、患者側の機嫌のありどころによっては「そんなこと患者に聴いてもわかるわけないだろ、専門家であるお前がどっちがいいのか判断しろ」とちょっといいたくなるところでもあります。今までの診察でも説明がやけにまどろっこしかったり、治療行為に自信なさげだったりするのをみるとそんな感情に襲われたりもするかもしれません。

でも、そうならずに合理的な判断を自ら下そうとするのは、患者である自分とその歯科医の間にこれまでの治療から得られた信頼関係が少なくとも存在しているからです。合理的な意思決定というものがなされるためには、感情的な意思決定が先走らない関係があるというのが大前提です。これは、国と国との関係でも同じです。

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