1日空きましたが、キャリアインテグレート研究会でお話した「越境学習」についての続きを整理します。残しておかないと忘れちゃいますからね。
まずは前回の復習からです。東京大学の中原淳先生は著書「職場学習論」の中で、「越境学習」を下記のように定義されています。 『個人が所属する組織の境界を往還しつつ、自分の仕事・業務に関連する内容について学習・内省すること。』 そして、越境学習の背後に存在するニーズとして以下の2つを示されています。 【越境学習の背後に存在するニーズ】 ①.企業の競争優位を支えるイノベーションへの渇望 ②.組織を超えたキャリア開発・能形成への渇望 なるほどという感じです。私はいろいろな人と外での学びについて話すとき、究極的には人が何かに踏み出す時は2つの理由しかない、「越境学習」だって同じだといっているのですが、これが中原先生の2つのニーズに対応するなぁと思っています。 【人が何かに踏み出すたった2つしかない理由】 ①.役に立つから ②.愉しいから これに対して諏訪先生からは、「好奇心」ってのもあるんじゃないかと指摘をいただきました。確かにそうです。自分的にはこれは②に入れちゃってるんだと思います。正確には、「愉しそうだから」であり、何が起こるかわからない好奇心的なものも愉しみに入れて無意識に考えてしまっているようです。 「越境学習」ももろに合目的的ではなくても「役に立つ」ために外に出るということ(中だけではだめだという思いも含めて)は間違いなくあります。でも、だからといってつらい修行ばかりというのではなかなか続きませんし、貴重なお休み・夜間を費やすにはちょっとつらいかもしれません。 合目的的でありすぎても学びは少なく、安易に愉しみに流れ過ぎても(もしくは居心地の良いサードプレイスに傾斜し過ぎても)学びは少ない、そんな気がします。 東京大学の館野さんが調査された結果を拝見すると、「社外の学びの場への参加理由」の上位3つは ①自分の知識や技術の専門性を高めたいから ②新しいアイデアや着想を生み出したいから ③多様な人と出会いたいから となっていました。この3つ、軽重はあってもいずれにも「役に立つ」と「愉しい」の双方の要素があるようにも感じます。 さて、当日はこんな話をしたあと、ちょっと自分の話をしました。これはブログではとりあえず割愛しますね。そして、そのあとは「越境学習に関する15の雑感」と題して、あえてかなりシニカルに「越境学習」というものについてコメントしてみました。 タイトルだけ列挙しましょう。 ①越境のイメージ ②越境学習インターンシップ ③洗練される異境 ④越境学習の浸透と拡散 ⑤越境の場のホームグランド化 ⑥キャリア研修とかでみる図 ⑦モチベーション自律の時代 ⑧越境学習=草野球論 ⑨ただ外に出ればいいのか ⑩越境学習のねじれ現象 ⑪テニサー化する越境学習 ⑫イノベーションの視点から ⑬特権階級の越境学習 ⑭異端者の越境、戻る場所 ⑮専門家の必然 ⑯腐敗と発酵 ⑰それでも怖い越境 ~川の向こう側 それぞれ何を語ったからイメージつくでしょうか。数が15になっていないところが、またいい加減でいいですね。これを毎日1つずつ振り返って書くと、ブログのネタが半月持ちます。ただ、書いている方もちょっと飽きそうですね。 さて、話は変わりますが、明日は経営学習研究所(MALL)のイベントがあります。私が担当しているsMALLラボの第1回企画として『「MALL☆ドラムサークル ~MALLと一緒にドラムサークルを体感し、人材育成について考える~」』を開催します。 多くの皆様が、日曜日だというのに「越境学習」に訪れてくださります。1人ひとりの参加者が何を思い、何を求めてその場にいるのか、そしてその場で何を感じられているのか、何を考えられているのか、きちんとこちらも感じ、考えていきたいと思います。「場をつくる」というのはそういうことなんじゃないかとも思います。 ということで、今日はこんなところで。
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