昨日、午前中だけ新卒採用セミナーを担当し、午後はある大学に赴き「社会人と大学生とのキャリアワークショップ 汽水域」というワークショップに参加してきました。社会人11名と、大学生が30名弱でしょうか、が集まったワークショップです。一度、この大学の授業にお邪魔をしたご縁で、お招きいただきました。振り返ってみて本当に良い機会をいただいたと思います。どのくらい具体的に書いていいのか確認をしていないので、固有名詞抜きでリフレクションをしたいと思います。
集合時刻は15時なのですが、その30分前に来れる人は集合して欲しいというちょっと不思議な案内でした。で、せっかくなのでギリギリ30分前に到着したのですが、正式なワークショップを始める前にアイスブレーク的な企画がスタートします。題して「わたしの感じの漢字を感じてゲーム」。まず数名で輪になって座り、1人が出題者、残りが回答者になります。出題者は自ら決めたお題に関する自分の「感じ」を「漢字」一文字で表し、内緒でスケッチブックに書いて隠します。お題は例えばシンプルな例だと「今、ここにきたわたしの気持ち」とかです。残りのメンバーはそれをあてるために質問をします。質問は1人3問まで。これだ!と思った人は、適宜いつでも答えをいえます。意外とすぐには当たらないのですが、なかなか面白いです。また、どんな気持ちで皆がここにいるか、どんなことを考えている人なのかも結構わかってくるので、一石二鳥のアイスブレークです。開始前の企画の説明が長くなりましたが、いつか使えそうな企画なので備忘録として進め方を書き残しておきたかったからです。途中で人数が増えても、輪を増やしたりして対応できるのがまたいいですし、運営した担当者の進め方も素晴らしかったです。 さて、このワークショップ、すべて学生が企画・運営をします。それぞれ分担が決まっており、受付・会計・進行・懇親会司会などの当日の役割はもちろん、「汽水域」というタイトルを決めたのも、ロゴマークをつくったのも、マスコットキャラクターまで学生が用意しています。もちろん日頃の先生のご指導の賜であることは間違ありませんが。 「汽水域」という名前は、海水と淡水が混じり合う塩分が少ない水のことです。深く入り込んだ湾や河口部の海水がこれにあたりますし、なかには汽水湖と呼ばれる湖もあります。北海道のサロマ湖や、山陰の宍道湖などは有名です。 名付け親のコメントは次のようにあります。 『大海原で活躍しているゲスト講師の皆様と、海に出る準備中の私たちが出会う場所という意味を持たせてみました。汽水域特有の生物がいたり、ここには多様な生き物が生息しているらしいです。本学は「学びの森」ですから、栄養分をたっぷり取り入れて川を下っていくイメージから名づけました』 実に素敵な名前ではないでしょうか。そして命名の理由ではないでしょうか。 このワークショップにはグランドルールがあります。大切なことです。おそらく授業も同じグランドルールで進められているのでしょう。 ①参加者1人ひとりは大切なパートナーです。お互いの尊厳を大切にしましょう。 ②極力否定語は肯定語に置き換えて表現してみてください。 ③本来、失敗はありません。あるのは学びだけです。 ④考えたこと、感じたこと、やりたいことをまず表現してみましょう。 ⑤疑問も大切にしましょう。 ⑥お互いのオープンなシェアリング(共有化)が新しい観方を拡げます。 ⑦知ったプライバシー情報は口外せず、話は心で聴きましょう。 ⑧みんなの意見を大事にする場をみんなでつくっていきましょう。 訪れた11名の社会人は、いずれも魅力的な方ばかりでした。それぞれの語りは私自身にも浸みいることの連続でした。大学生は1年生から4年生まで散らばっています。参加は本人の自由意思です。学生は、いわゆるいい意味での「普通の」学生です。変にワークショップ慣れしたりしている人達ではありません。そんな学生たちがおそらく相当の時間をかけて丁寧に「場」を用意してくれました。ワークショップそのものは2時間、細かくはレポートしませんが濃い内容があっというまに駆け抜けます。 そして、良いワークショップには良い飲み会があります。こちらも2時間弱、ほとんどの方の話すことができました。懇親会の司会者2人もいい味を出していました。というか、それぞれがそれぞれの役割でいい味を出していたと思います。 「汽水域」というメタファーは考えれば考えるほど秀逸です。 社会は水平線の果てまでどこまでも続く大海原です。そして、どんなに長い川を下っていても、誰しもいつかは海に放り出されます。川と海の中間的な存在である「汽水域」で意味のある体験を味わうことにより、慣れない海で良いスタートが切れるのであれば、また大海原に繰り出すのが少しでも怖くなくなるのであれば、「汽水域」の意義は非常に大きなものがあります。そして、「汽水域」は自分自身さえその気になればどこにでもあるのです。そう、いろいろな人に会ってみるという行為が「汽水域」そのものでもあるのです。 私自身としても、自分がやりたいことの1つに「汽水域」を多様な生態に満ち溢れさせることが間違いなくあるな、と改めて感じた時間でした。メンバーとしてあの場に入れたことに感謝をしています。あのメンバーが集まったのは本当にたまたまではありますが、素敵なこの出会いをその場だけで終わらせることがないように、まずはブログに記憶を残してみました。 ![]()
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