給与業務の近未来 一例としての「COMPANY」+「PAYROLL」
人事業務の中でも給与業務は少し特殊だといえます。採用や育成といった外向きの業務の互換性が薄いと考えられがちであったり、単なるルーティンだとみなされたり、そんな傾向があります。しかし、給与業務というのは、人事の業務の中で一番の最前線業務なのです。毎月必ずすべての社員にアクセスする業務は他にはなかなかないでしょう。ですから、最前線業務てある給与業務の評判は、人事全体の評判に大きく影響を与えます。

では、給与業務の信頼性の源とは何でしょう。これは2つに集約されると思います。まずは「正確性」。「間違えない!!」ということです。こちらはどちらかというと衛生要因的に働きます。もう1つは「ホスピタリティ」。「助かった!!」という奴です。こちらは動機付け要因でしょうか。

さて、ここで問題です。

①.給与業務は高い専門性が必要な仕事でしょうか。それとも、まったくそんなことはない仕事でしょうか。
②.給与業務は大切な仕事なんでしょうか。それと、取るに足らない下流工程の仕事なんでしょうか。

結構、難しい問だと思います。社会保険や税務といった給与の周辺分野は広く、幅広い知識が求めらます。一長一短にはこれは得られません。えてして給与担当者にベテランといっていい担当期間の長い人が多いのも、そんなことが理由にあるはずです。でも、おそらく役割評価をすると役割としては高くはなりません。それはプラスの価値をなかなかそこに見出せないからです。難しくて大変だけど、評価されにくい。しんどい仕事ですね。給与明細というのはすぺての人事施策のアウトプットです。その意味では給与業務は大変に大切な仕事なのですが、制度企画担当者からみると下流業務とみなされがちです。では、制度企画担当者のどれだけの人が1人で1カ月の給与をまわせるだけの知識と能力を持っているかというと、これは結構いないでしょう。ちょっと複雑な二重構造がここにはあるのです。

私のいる会社では、給与業務をアウトソーシングに出しました。アウトソース先は「PAYROLL」社です。

自分としてはこれは合理的な「解」だ思っています。

給与業務の信頼性の源を2つあげました。この2つは適切なアウトソーサーであれば、社内でやっているのに負けない結果を担保することが可能です。逆にいえば、ここが担保できないようであれば、アウトソーシングは間違った判断です。アウトソースを考えるのであれば、自社のこれを担保できると判断できるアウトソーサーを探す必要があります。当社にとっては、それが「PAYROLL」社でした。

やはり給与は専門性が高い仕事です。単に専門性というよりもある種の熟練度が求められます。ここで、この熟練度と専門性を社内で確保する必要があるかどうかという次の問が生まれます。熟練度と専門性が企業の差別化と競争力の源泉になるのであれば、これは外に出してはいけません。しかし、比較的普遍性のある専門性がベースとなる給与業務は、その専門性と熟練度を外に求めることが十分にできます。逆にその方が給与業務は安定するともいえます。ベテラン社員がブラックボックスの中で給与業務を回している状況こそ、実に危険な状況なのだといえます。大切な仕事で安定性が求められるから、逆に外に出すのです。

私のいる会社では、給与業務は外に出しましたが、人事情報システムはそのまま「COMPANY」を活用しています。「COMPANY」「PAYROLL」という組み合わせです。給与アウトソーサーも人事マスタを整備していますが、まだまだ専門システムには及びません。従業員1000名でそれなりの人事管理をしたいのであれば、「COMPANY」や「ROSIC」を人事情報システムとして活用し、給与はアウトソーシングというのが、現段階では最適の業務設計だと思っています。ただ、「COMPANY」の場合は、フルERPの思想が強いので微妙なところがありますが。

人事情報システムは、ホスト時代からERPパッケージの時代に完全に移管して10年以上が経ちました。次は、戦略的人事システム+給与アウトソーシングの時代がくるのではないでしょうか。多くの日本の伝統的大手企業でも給与をアウトソーシングすることを検討し始めています。グループ内のシェアードサービスではなく、グループ外の専門会社にです。給与アウトソーシング後の人事情報システムに求められることは、単なるデータの箱ではなく、経営に資する情報を適切に簡単にわかりやすく提示できることや、タレントマネジメントを実現できること、各種シミュレーションができること、などなど企業によってニーズは異なってきますが、これからいずれ最大公約数が見えてくるでしょう。

給与をアウトソーシングするからには、社内工数は最小限にとどめたいところです。ですから、人事情報システム側にも給与アウトソーサー側にも、平易なインターフェイスの提供が求められます。しかし、給与アウトソーシングをしたから、100%丸投げかというとけしてそうではありません。アウトソーシングの場合、必ず社内とアウトソーサーとの間のインターフェイス役が必要です。ここが上手に機能すると、アウトソーシングを徹底活用することができます。既存のシェアードサービスセンターの役割も実務をこなすことではなく、グループ各社の業務とアウトソーサーのインターフェイス役を担うことに変わってくるはずです。

この意見にご興味のある方、是非、ディスカッションしましょう。

20121124_131550.jpg
関連記事
スポンサーサイト
【2013/06/10 22:52】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<健康食・ダイエット食としてのラーメン二郎 | ホーム | 『発達障害者のキャリアについて考える』~第52回日本キャリアデザイン学会研究会>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://jqut.blog98.fc2.com/tb.php/1794-b4b30e12
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |