私は不安を感じないことが一番怖いと思う ~キャリアデザイン学会研究会より
昨日はキャリアデザイン学会の第50回研究会『私たち女子中高生、キャリアを懸命にデザインしています!!』に参加してきました。

女子高校生2名、女子中学生2名、企業で働く女性2名の6名によるパネルトークです。どうしても私たちがキャリアを語る場合は、対象は大学生どまりのケースが多いかと思います。今回のように、高校生・中学生と社会人が一緒にキャリアデザインを語る機会は非常に新鮮でした。

登壇した高校生・中学生は、東京都江東区にある中村高等学校・中学校からそれぞれ2人ずつです。同校は1学年124名の小規模の中高一貫校です。専任教員1人あたりの生徒数は14名と、世の中水準の半分程度、2002年度から中学1年から6年間キャリアデザイン授業を採り入れ、30歳の自分を考えます。どんな職業につきたいのか、どんな資格を取りたいのかといった方向に安易に陥らずに、どんなことに興味関心があるのか、それにどう携わりたいのかを考え、生き抜いていくために必要なコンピテンシーである総合的な変化対応能力の土台を6年間で身につけることを目指しています。そのためにも、1人ひとりが自主自立型学習者になることを求めます。自ら考え、学び続けることが生き抜くことだという思想なのだと思えますが、この方針には実に共感できます。

冒頭に上記のような中村のキャリアデザイン教育の考え方を学会研究会企画委員でもある永井副校長が語られます。続いて、同じく学会研究会企画委員の四方さんの進行により、6名のパネルトークに移ります。中学生⇒高校生⇒社会人の順で、まずは自己紹介です。

この自己紹介が全体の素晴らしい流れを決定付けます。最初の中学生がしっかりと時間をとって自らのこと、今日への期待、社会人に聞いてみたいことを語ります。これが中学生⇒高校生と4名続きます。社会人としては、実に聴きごたえのある自己紹介です。

続いて、社会人の2人からの自己紹介があります。今回はパネルに出る社会人を紹介してほしいと依頼され、私の知っている方(人事の集まり「ごじかん会」のメンバー)をお2人推薦しました。お2人ともに、キャリアの分野でバリバリ活躍している人ではありません。でも、この場にきっとフィットするだろうなぁという方です。

お2人の自己紹介は、自分の生まれから始まり、両親の仕事のこと、家族のこと、高校時代に何を考えて大学を選んだのか、大学時代は何を考えていたのか、社会に入ってからの失敗談、思ったこととぜんぜん違う仕事をやっていたという話、でもそんな中で自分らしく一生懸命にやってきたこと、などをとてもリアルにかつ自然体にお話になります。何度もお会いしているお2人ですが、パーソナルな話を聞くのは初めてで、ちょっと感動してしまいました。

高校生・中学生にとってもっとも身近な社会人は、まさに親です。ですから、自分の親はどんな仕事をしていて、それを自分はどう見ていたという話から入るのは、高校生・中学生をぐっと惹きつけます。何か凄いことをやって自らのキャリアデザインを実現させました、なんて話の何倍も気持ちに沁みます。素敵なお2人に登壇していただくことができて本当に良かったと改めて思った瞬間です。

学生から社会人への問には以下のようなものがありました。

  「女性は不利ですか」

  「専業主婦についてどう思いますか」

  「会社に入りるために求められるものって何ですか」

  「企業のニーズの変化に自分は適応できるのか心配です」

  「こ自身は今、キャリアデザインをしていますか」

逆に企業人側からは、例えばこんな質問がありました。

  「めざすキャリアの実現のために、何か行動をしていますか」

  「サラリーマンにどんなイメージを持っていますか」

1つひとつで1日分のブログが書けるほどの内容のあるやりとりがありました。この中のいつくかは、いずれここでも書きたいと思います。

最後の方で会場からも質問が飛びます。

「素晴らしいキャリアデザイン教育を受けているなと実感しましたが、でもキャリアデザイン教育が逆に皆さんの不安をあおってしまっているようなところはないのでしょうか」。

いい質問です。この質問に4名の高校生・中学生が答えます。用意してきちことをきちんと語るのであれば、しっかりとした優秀な生徒だなぁで終わるのですが、その場で出た質問にきちんと真正面から4名とも答えているのには、少々驚きでした。この問にきちんと自分の言葉で語れる大学生、若手社会人はどのくらいいるでしょうか。

最初の高校生の答えには、少し震える感じすらしました。口語体で意訳して書きます。

「私は逆に不安を感じないことが一番怖いです。何も知らず何も考えずに、不安を感じないで何となく大学に行き、何となく企業に入り、何となく60歳を過ぎてしまうという方が自分としては怖いです。きっと、乗り越えなきゃいけないこと、やらなきゃいけないことがたくさんこれからあると思います。そんな不安がたくさんあります。でも、最初にいったとおり、不安を感じないでいることが一番怖いことだと思います」。

帰り道で、登壇者らと少し喉をうるおしながら、「不安を感じないことが一番怖い」という言葉を反芻していました。いずれにしても、当日会場にいた社会人は皆、彼女らから、やる気と元気をもらったことは間違いありません。

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