過去を評価するのではなく、将来を買う
ヘッドハンティングとは、その候補者の過去ではなく、将来を買うことだ」。

あるヘッドハンターの言葉ですが、まったくもって真実ですよね。華麗なる過去の経歴が役に立つのではありません。しかし、将来を買う判断をすることは実に難しいものがあります。それは私たちに、未来予知能力がないからです。

「将来を買う」という仕事の1つに、採用という仕事があります。予知能力のない私たちとしては、将来わが社でしっかりと働いてくれるかどうかを判断するために必死に候補者の材料を探す必要があります。その代表的な手法は、面接です。

面接ではどうしても過去を聞きます。まだ来ぬ将来のことを聞いても好き放題に大ぼらを吹けますが、過去は事実に立脚せずに語るとリアリティが持てないので、将来ではなく過去を聞くことは、とても意味があることです。しかし、いかに華やかな過去があっても、将来にまた同じような成果をあげてくれる保証はどこにもありません。そこで、私たちは過去の成果ばかりに焦点を当てることはせずに、過去の成果にいたるプロセスに焦点を当てて、ここを掘り下げます。なぜかというと、成果よりもプロセスの方が再現性をより確認てぎるからです。つまり、将来にまたやってくれる期待ができる人かどうかを知る手掛かりを得られるからです。

過去に果たした素晴らしい業績を、もしくはそれ以上の業績を、当社の中で将来に果たしてくれるのか。これが面接官の関心事です。

ですから、成果の事実を詳しく聞いてもヒントは得られませんが、成果にいたるまでのプロセスを確認すれば、なるほどそういう風に考えて、そういう風に周囲を巻き込んで、そういう風にリスクを把握して、そういう風にスピーディに行動ができる人なのか、ということがわかってきます。この部分については、再現性がかなり期待できるわけです。つまり、面接官が過去の成果を聞くのは、その成果そのものに興味があるわけではなく、その成果にいたるプロセスの中から再現性を確認したくて聞くわけです。将来何をやってもらえそうかを知りたくて聞くのです。新卒採用における「大学時代に力を入れたことは何ですか」という凡庸な質問でも、まったく狙いは同じです。

成果主義という言葉があります。

成果をもって処遇する考え方ですが、成果を反映させて昇格や昇進を決める考え方は果たして適切でしょうか。

昇格や昇進というのは、優秀な社員に次の立場になってさらに活躍してもらうことを期待して行うものです。これはある意味では、次の資格、次のポジションにおける採用試験だともいえます。

ですから、過去の成果がいかに素晴らしくても安心はできません。成果そのものを評価するのではなく、成果に至るまでのプロセスから理解できる再現性こそが評価のポイントになるはずです。さらには、上の立場になってもその再現性が担保できるかという点がポイントになるはずです。

ですから、成果自体を評価するのではなく、成果にいたるプロセスを丁寧にとらえて評価をすることが、正しいのではないでしょうか。考え方は採用面接の場合と同じです。結果としての成果だけで、ロジカルに昇格・昇進を決める仕組みは、この点からみて合理的ではありません。

しかし、結果としての成果を上げることは、いうまでもなく企業の財務諸表にプラスの好影響をもたらします。こちらも企業にとっては実に大切なことです。ですから、成果を上げた人にはきちんと「報いる」必要があります。これは、昇格や昇進というかたちではなく、賞与や達成インセンティブという払い切りタイプの報酬で報いるのが適切なのでしょう。成果は評価するものではなく、報いるものであり、評価の対象はあくまでもプロセスであるべきだという考え方です。

成果が大切なのか、プロセスをみるべきなのかというのは、けして択一論ではなく、それぞれに意味があるわけで、その意味に即したシステムが必要だということですね。

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