大学教育、日本の労働、大学と仕事の接続、3つの現状 ~企業×大学パネルトーク事前企画②~
【企業×大学 パネルトーク&ダイアローグ】「これからの社会をつくる人材」を育成するために、いま何をすべきか 」事前企画の第2回です。意味の分からない方は、昨日のブログを。

10月26日・27日に開催されたキャリアデザイン学会、学会企画ミニシンポジウム③は『「就活うつ」と「新卒うつ」を考える』でした。東京大学の本田由紀先生と、神田東クリニックの吉村靖司先生によるパネルです。

最初にまずは本田先生からの「就活うつ」の話。いろいろと語りながら、後半ではこういった問題を招く社会的背景についての整理がありました。

この問題の背景には、3つの箇所に深刻な現状があり、これらをきちんと整理して考えないといけないという話です。私が常々感じていることとピッタリとあったお話しでした。この3つとは、大学教育の現状、日本の労働の現状、大学と仕事の接続の現状です。本田先生の資料から抜粋させていただきます。

〓大学教育の現状〓
○大学数の増加、大学進学率の上昇に伴う大学・大学生の多様化と格差化。
○経営上の理由から「入口管理」(厳密な入学者選抜)と「出口管理」(厳密な成績評価)が困難。
○分野の融合・学際化(曖昧化)と細分化(蛸壺化)の共存。
○合格可能性を重視した進学先決定がもたらす学生の入学後の不適応。
○職業関係性に偏るキャリア教育や表層的な就職対策、仕事や社会生活への「意義」の希薄さ。
○学費の高額化と奨学金制度の未整備

〓日本の労働の現状〓
○正社員比率の減少、非正社員比率の増加
○正社員は「ジョブなきメンバーシップ」。強固な参入障壁、職務範囲の不明確さ、それに伴う過重労働・長時間労働。
○非正社員は「メンバーシップなきジョブ(タスク)」。有期雇用と低賃金、教育訓練の手薄さ。
○正社員/非正社員いずれにも進行する現象として、世界的コスト競争と産業構造の変化(高付加価値化・サービス化)。これにより利潤獲得が困難になる中で、法律や人権を蹂躙する働かせ方が増大(ブラック企業問題)。

〓大学と仕事の接続の現状〓
○長期化・煩雑化・不透明化した就活が学生にとって多大な時間的・金銭的・精神的負担に。
○インターネットの就職サイトの支配によるボトルネック化。
○キャリア教育や保護者の就職観がもたらすプレッシャー。
○新卒採用と経験者中途採用のはざまで未経験既卒者の就業機会が大幅に限定………拡大した大学教育と拡大しない仕事との量的ギャップ、質的な選抜・マッチングの合理的指標および新卒採用ルート以外の就職ルートの整備に著しい立ち遅れ。
○その諸矛盾が就活性に集中。

互いがそれぞれの現状をきちんと理解をした上で、全体を意識して考えて行くことがやはり何よりも大切なことは間違いありません。移行の問題とは、A⇒Bで書き表せますから、その構成要素であるA、B、そして⇒を個々に知ることは必須です。それをせずに漠然と就職問題、採用問題を語ることの意義はあまり高くないと感じています。企業の人はBは理解していますが、Aは昔のイメージでしかみていません。そして、⇒は意外と理解できていません。そんな現状を少し変えるだけで、いろいろな人の行動が少し変わってくるのではないかと思います。

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