曖昧で理不尽な就職活動 ~企業×大学パネルトーク事前企画⑤~
【企業×大学 パネルトーク&ダイアローグ】「これからの社会をつくる人材」を育成するために、いま何をすべきか 」事前企画の第5回です。何のことだかわからない方は、11月4日のブログを。

就職活動はとても曖昧で理不尽なことの連続かと思います。その結果といっていいのかわかりませんが、「就活うつ」なんて言葉まで出てきています。

エントリーシートの採用基準は明示されず、不合格になっても理由も教えてもらえません。どの企業の面接がいつ頃にあるのかも事前にはわからず、急に連絡がきたり、HPにアップされたりしてあわてて対処するしかありません。あんなにいい雰囲気だった面接でも不合格になったりします。自分よりもぜんぜんいい加減な奴が、自分が落ちた会社から内定をとったりします。明らかに親の七光りで早々に内定をとったとしか思えない奴もいます。普段は腹黒いのに人当たりが上手だから面接を通ったに違いないと感じる奴もいたりします。企業がいっている求める人材像も本当だかどうだかわかりません。面接で何をクリアすれば合格するのかはわかりません。学校名であの会社は足切りをしてるんじゃないかと感じたりします。面接で何を判断されているのかもよくわかりません。

そう、確かに就職活動は実に曖昧さと理不尽さに満ち満ちています。

でもそれを嘆いてみても始まりません。曖昧で理不尽な就職活動に立ち向かうことにこそ意味があるのかもしれません。なぜって、社会自体が曖昧さと理不尽さに満ち溢れているからです(このあたり、花田光世先生の影響を強く受けていますねえ……)。

営業に配属になったとします。とある小企業に自社商品を売りに行きました。総務部長が出て来てくれました。商談はいい雰囲気で流れます。でも、何をクリアすれば総務部長は購入を決断してくれるかなんて、当たり前ですが明示されません。それどころか、この人当たりの良さそうな総務部長が果たして決裁権を持っているのかすらわかりません。何度も足を運んでも、総務部長が決裁権を持っていなければ何も前には進みません。また、最終的に商談が決まる直前の段階で、破談になることもあります。先方がメインバンクから急に紹介されたライバル会社に負けることだってあります。社長が不機嫌で契約書に印を押してくれないことだってあります。せっかく契約にこぎつけたはいいけど、その企業が倒産することだってあります。そんなことが起こると売掛金の回収作業に奔走するために、他の営業活動にも大きな影響が出てしまいます。

そもそも、社会は曖昧さと理不尽さに満ち満ちているようです。
でも、だから決まったレールを歩くだけではない面白みがあるのだともいえます。

学校モードから社会モードに移るということは、曖昧さと理不尽さの海の中で、自分が自分の頭で考え抜いて泳いでいくことを意味します。それまでは管理されたプールでしか泳いでいなかったとすると、これは大変なことです。具体的な指示があり、明確な〆切や合格に必要な点数が伝えられていた学校モードとは、異なる世界で勝負をするわけです。シラバスも時間割りもテスト範囲の公開も卒業必要単位数も明示されない世界で頑張るわけです。

今の日本の就職活動の状況がいいとはまったく考えていません。でも、大学から社会への移行のゲートである就職活動というのが、曖昧さと理不尽さに満ち溢れていることには、ある程度は意味があるのではないかという考え方も成り立ちます。就職活動は社会のモードでできているのです。

問題は、シラバスや時間割りやテスト範囲の公開や卒業必要単位数の明示に類するものが、これからはもう与えられなくなるのだということを、学生がリアルに学ぶ前に就職活動に放り出されていることにあるのかもしれません。自己分析も業界分析も大切です。でも、自己分析をするよりも、業界分析をするよりも、もっと以前にやるべきことがあるような気がします。

そんなことを脅かしのトーンではなく、未来感を持って明るく愉しく学生に伝えることが社会人の役割の1つではないかと思います。

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