今の企業内教育の10の問題点
昨日にひき続いて、土曜日のS-HRM研究会からです。
谷内先生が整理をされた「今の企業内教育の10の問題点」。勝手なコメントをたらたらとつけてみました。

いずれも結構、ベタな問題点なのですが、ベタな問題点がまだまだ解決できていません。そして、ベタな問題点の改善をすることなく、目新しい概念に飛びついても、たぶん立ち枯れするだけではないかと思います。そんな思いをまた新たにしました。

①.OJTの形骸化

先日のMALL企画「OJTの再創造:僕らはイマドキのOJTをつくることにした」があっという間に満員御礼になったくらいですから、OJTを何とかしなきゃという企業は本当に多いわけです。新卒一括採用を堅持するのであれば、OJTは必須のインフラだと思います。しかし、OJTはけして新卒新人だけのものでもありません。OJTへの本格的な人事からの関与は、上手に進めると組織開発にもふれてきます。

②.階層別教育を中心とする底上げ教育がメイン

階層別教育は今でも必要であり重要なものですが、確かに目的は底上げ、一定水準の確保が狙いになります。仮にグローバルリーダーなるものを育てたいという場合、確かに今までのような階層別だけをやっていても難しいですね。

③.教育の場が企業内に狭く限定

外とのネットワークの重要性ですね。この分野はこれまでどちらかというと個人に委ねられていました。会社がどこまで関与するか、会社がお膳立てをした方がいいのかは、何とも難しいところです。この問題の解決のために、会社がやるべきことは何なのか、です。個人が自ら動きやすい環境つくりを支援する(お金、時間も含めて)という手ももちろんあります。

④.個人のキャリア形成の視点に欠ける

これは語ると長くなるので今日のところは省略します。

⑤.経営戦略との連動性にかける

企業内教育の問題というよりも、人事そのものについての問題かもしれません。一言「経営戦略との連動」といっても、具体的に何をやればいいのかは難しいところです。正解はありませんし、当座の解も企業ごとに違ってきます。経営戦略が企業ごとに違うのですから、当り前です。まずは問題意識を持つところから始まるのかと思います。また、逆の見方をすれば、人事とはまさに経営が携わるべきものです。人事部ばかりが人事を考えているのも、また健全ではありません。能力開発もそうです。

⑥.メインテナンス軽視

研修実施後のフォローが適切になれさていないということですね。どう効果があったのかがなかなか可視化されません。研修効果という単純な目線で後追いするのか、人材マップの経年変化という目線でとらえるのか、どちらもなかなかこれといった妙案が出てきません。そういう状況ですと、やれることを少しでもやっていくということにどうしてもなってしまいますが、あきらめるよりはなんぼもよいことです。教育とは「今日、行く」だけのもので、明日になったら残らないという批判を否定できる取り組みは必要です。

⑦.教育の実施主体が外部依存型

丸投げへの批判ですね。お題を決めて、ベンダーにオリエンして、コンペで決めるってな感じの研修担当者のことです。研修担当者はあくまでもプロデューサーです。細部にわたって関与し、設計しなければなりません。研修講師はある意味では、役者です。役者の選任もプロデューサーの大切な仕事です。外部の役者をつかうメリットは様々なところにあります。プロデューサーが自演するのも時にはありです。細かいシナリオについて外部に書いてもらうのも、OKです。ただし、プロデュースは外部に委ねることは普通、できません。

⑧.知識詰め込み型教育が中心(経験学習、アクション・ラーニングの軽視)

だいぶ減りましたが、まだ趨勢としてはありますかね。いわゆる導管型教育です。たぶんますます集合研修というのは、成り立たなくなってきます。人を集めるということに対するコスト意識は強まってきます。会議だって出張なんかせずにテレビでやることが主体になりつつある中で、研修だからといって全国、全世界からいつもいつも人を集めることが許されていいわけがありません。ですから、企業研修の中にも反転学習の手法はどんどん入ってくるでしょうし、改めてe-learningも見直されてくるはずです。集まらないとできない教育って何でしょうか。集まることにより最大の効果が発揮される教育って何でしょうか。
それから、経験も大事ですが、実は理論も大事です。

⑨.行動環境への配慮がない

1人の人が学んで職場に戻っただけでは、変化は起こりにくいものです。本当に変化をめざすのであれば、職場という「場」に作用できるような何かが必要になります。組織ぐるみの研修などもありですし、上司へのアプローチもとても大切です。「場」は人を変えます、不思議なものです。

⑩.育成すべき人材像の欠如~場当たり的教育

戦略との連動の中で人材像は変わってきます。求められるリーダーシップのかたちだって変わっていきます。そして、それは通り一遍ではなくなってきます。育成すべき人材像も多様化してきます。マス的感覚の企業内教育では対応できなくなってきます。企業もお膳立てをとてもやり切れません。育成すべき人材の議論を真面目にやると、たぶんこんな悩みも顕在化してきます。

こうやって考えてくると、企業内教育の役割と、責任範囲というものが、急速に変わっていきつつあることを改めて感じます。さて、何をやるのか、大変です。そして、面白いです。

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【2013/12/09 23:32】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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