あらためて、介在価値
小麦粉の営業をやっていたとき、何のビジネスでもそうですが、メーカービジネスにおいては商流施策は重要です。直売思考でいくのか、代理店を活用するのか、代理店もオープンなのか、特約店システムなのか……。どこを起用して、どこははずしていくのか。当時の小麦粉の世界でいえば、糖粉商や米穀商という業態がプレゼンを得ていたのですが、これが今後どうなっていくのかだとか。
その後、食品卸は合従連衡を繰り返し、商社系に集約されつつあります。その反面、きめ細やかな物流機能をベースとした中小規模卸も、また顕在であり、その中から規模を拡大しつつある企業も出ています。一時、問屋不要論、中抜き論が横行し、これは時折繰り返される議論ですが、要は間に入る存在として、価値を提供できるかということなのかと思います。メーカーと流通の間に「介在」する存在として何の価値を提供できるか、を生き残りのために必死に考えている業界なのかと思います。

結構、採用面接をしていて、食品卸を志望している学生が増えているんじゃないかという感覚を持っています。これは卸の大規模化の影響もありますが、食品卸が何とか「介在価値」を保ち、それを学生にアピールできているからこそのことかと思います。

私たち人事という機能にも今、「介在価値」が強く問われています。いや、人事以外の管理間接部門すべてについてかもしれません。人事が権力機能であった時代は、介在価値などといったことを考える必要はありませんでした。しかし、今はどうでしょうか。

●各部署が中途採用をしたいと考えた場合、人事にオーダーをしなくても、直接紹介会社にオーダーすることはいくらでもできる。派遣でも、場合によっては新卒でも同様である。

●営業力の強化のために何か研修をしたいと考えた場合、人事に相談をしなくても、研修ベンダーに直接相談することはいくらでもできる。リーダーシップ研修でも、コミュニケーション研修でも同様である。

●現場にて労務トラブルが発生した際、別に人事に入ってもらわなくても、社労士や弁護士と直には話ができれば解決ができる。

●経営陣や経営企画といった部署が、風土改革をしたいと考えた場合、人事を巻き込むようなことはしなくても、外部専門家に直接、検討を委ねることはいくらでもできる。極端な話をいえば、人事制度の改革、賃金制度の見直しについても、同様である。

もはや自分たちが頼まれて当たり前と思ってはいけない時代がきているのかと思います。
これからは、社内の管理間接部門は、社外の専門家と競争環境におかれていきます。「社内にいる」という点は本来、圧倒的に有利なはずですが、逆に過去にとらわれてしまうという点では不利になります。また、深い専門性では、外部の専門家に勝つことはなかなかできないでしょう。そんな中で、私たちがどう存在価値を発揮できるかが、それがまさに「介在価値」なのです。

社内においても、なあなあではなくて本気で最適を求めるような風潮が強まっていった場合(すでにそうせざるを得ない状況に追い込まれつつある組織も少なくないのではないかと思います)、社内の管理間接部門組織は社外と競合します。というか、最低限そういうレベルにはならないと成り立ちません。ただ、残念なことに、社外サービスのレベルもこれに代替できるようなレベルに達しているかといえば、まだまだそうでもありません。ですから、私たちはまだ少しのんびりしてしまいます。ここには大きなビジネスチャンスがあるはずですのに。

この風潮が強まることにより、逆に社内の管理間接部門組織は、大きく飛躍することができます。社外との競争にさらされることにより、今までよりもサービスレベルをあげるでしょうし、現場に密着するでしょうし、生産性を高めるでしょうし、そして何よりも学び進化しようとするでしょう。すでにこの意識をもって取り組んでいる組織も多々ありますし、旧態依然の思想で仕事をしている組織も多くあります。脱皮途中の組織も多いでしょう。特にシェアードサービスという形態などは真剣に自らの将来を考えなければなりません。存在意義が、雇用の確保だけになり、なんら「介在価値」を期待されないようになったら、働いている人のモチベーションを維持することもできなくなり、負のスパイラルに陥ることは間違いありません。

人材紹介会社、外部講師型の研修ベンダーなどもまったく同じことがいえますね。ひょっとすると、組織で働くすべての人にいえることなのかもしれません。

これまでは連続的な経験学習モデルのサイクルに私たちはいました。少しずつそのサイクルを大きくすることによって存在価値を得られたわけです。でも、それだけで本当にいいのか。経験学習は大切にしながらも、今や非連続的な経験学習というわけのわからないものにも同時にチャレンジしなければ価値を提供しきれないようにも思います。

今日は駅まで2往復したので、こんなようなことを晴天の空の下、ゆっくりと歩きながら、考えていました。最初は食品卸の話を考えていたのですが、不思議です。

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※ターミナル。線路がここで終わるというのは、とても郷愁があります。


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