昨年、仲間と大学生についての研究を行い、日本キャリアデザイン学会で発表をする機会がありました。大学生のどんな活動が「社会人基礎力」の向上に寄与しているのか(成長に結びついているのか)をみたのですが、どうも「何に」「どの程度」参加するということよりも、「どのように」参加するのかといったことが、成長には関係があるようです。ある意味では当たり前のことのようにも思いますが、データでも検証はできており、それなりの反響をいただくことができました。
質問紙調査の中から1つデータを例示しますが、選択肢として示した13種類の「活動への参加状況(参加の仕方)」について、社会人基礎力が高い層と低い層での差異のが大きかった順に並べたものが以下の1位から13位の羅列です。つまり、より上位にあるものほど、成長に寄与する「参加の仕方」であり、下位にあるものほど成長にはあまり関係のない「参加の仕方」だといえます。13位の「その活動へは、ほとんど毎回参加(出席)している」はダントツの最下位であり、何でもいいから参加すればいいということではまったくないことがわかります。4位に「成功体験」があるものの、「失敗体験」は12位と、この落差にも注目したいところです。 1位:その活動における自分の責任はかなり重いものである。 2位:その活動では、うまくやるために常に考えたり工夫をしている。 3位:その活動における自分の役割はちゃんとはたしている。 4位:その活動では印象に残る「うまくいった、成功した経験」がたくさんある。 5位:その活動を通じて、自分の考え方や意識はずいぶん変わったと思う。 6位:その活動では、年上の人や社会人と接することが多い。 7位:その活動に対してはかなりのエネルギーをそそいでいる。 8位:その活動を通じて、自分の行動はずいぶん変わったと思う。 9位:その活動は自分の将来のためにかなり役に立つと思う。 10位:その活動では、自分の役割をはたすために、結構苦労している。 11位:その活動で得たことは一生忘れないと思う。 12位:その活動では印象に残る「失敗経験」がたくさんある。 13位:その活動へは、ほとんど毎回参加(出席)している。 先日、就職活動真っ最中の学生と話していて、このデータの新たな活用方法を思いつきました。 自分の学生生活を振り返っても、面接の中で何をアピールすればいいのかなかなか決められないという学生の皆さん。皆さんの学生生活の中で、上記の上位にランク(上位5つでしょうか)されているような感覚を得られた活動経験をちょっと無理矢理にでも思い出してみてください。それを自分の言葉で整理すれば、面接でのアピール材料にきっとなるはずです。たぶん、真剣に思い出せば、いくつかは相手に説明できる活動経験は出てくると思います。その活動経験を思い出して、自分の言葉で整理していく段階で、その活動経験に対しての自分なりの意味づけがきちんとできれば、きっと面接官にも説得力のある話にできるはずです。今回の調査からいえば、きっとそれらの活動経験は皆さんを少なからず成長させているはずですから。 左手の中指がうまく曲がらなくなりました。ずっと直らないので、病院に行ったら腱鞘炎からくる「ばね指(弾発指)」だとの診断。指の関節が滑らかに動かずに、びっく箱を開けたときに飛び出すばねのような動きをするのです。治癒はまったくしませんが、説明が腑に落ちると何となくすっきりするものです。 ![]()
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