アトリエモール S-park企画 勝手リフレクション
昨日、経営学習研究所(Mall)の新規企画であるアトリエ・モールのファーストイベントがありました。

アトリエモール・プロジェクトについては10月19日のブログ「アトリエモール・プロジェクト、進行中!!」をご覧いただければと思いますが、公募による集まった各企業の35歳以下の初めて出会うメンバーがいくつかの定められた制約条件をクリアする学びの場をつくりあげるという難易度の高い企画です。全体を2チームに分け、昨日と26日にそれぞれが企画するラーニング・イベントを開催します。その初回が昨日だったというわけです。

両企画のリリース内容は11月8日のブログ「アトリエモール企画、S-park & ほしぐみ。リリース開始しました!」をご覧ください。今回は「あなたの仕事を旅行に変える ~仕事に対する新たな視点をみつけよう!~」。旅行というメタファーで自らの仕事を見つめ直す場です。

自らにとっては果てしない日常である「仕事」を一旦、非日常に置き換えてみることにより、自らの仕事に新たな気づきと、輝きが得られるプロセスは見ていてなかなかの醍醐味でした。

今日はその内容を細かく振り返るということではなく、イベントづくりのプロセスとイベント自体についての勝手な振り返りを忘れないうちにしておきたいと思います。私もこういう立ち位置でイベントに関与することはあまりないので、逆にいろいろな気づきがありました。ちょっと長くなりますが、勝手なリフレクションです。主催者のS-parkの皆さんには、思いを理解せずに書いている部分があったらごめんなさい。

■《「仕事のコリ」をほぐすために、「仕事を旅行に変える」というワークショップを行う》というシンプルなコンセプトが、実に伝わりやすかったです。今回、登壇いただいた仕事旅行社は、お話しを聞いている限りでは、私たちにとっては非日常の、実際には自分がなかなか携われない仕事を対象にされているのかなと思いましたが、今回のイベントは、その逆でコテコテの日常である私たちの仕事を取り上げるということにしたのが、この企画を企画として成り立たせたポイントだったのかなぁと感じました。

■最初、話を聞いていて、ほんとうにそんなことで「仕事のコリ」がときほぐれるのかな、つまらない企画しかつくれない人がいないかななどといらぬ心配をしましたが、心配は無用でした。ここで効果を発揮したのは、旅行企画のターゲットを決めて、そのターゲットが求める企画をつくる、自分が伝えたいことを書くのではないという視点の転換のように感じました。視点の転換が自然にできると、非日常的な思考が可能になります。大きな仕掛けなく、これが自然にできたように感じます。まさに企画のなせる技です。

■それを支えたのが、場つくりです。今回の場つくりは、2つの点で秀逸でした。1つは徹底して「旅」というモチーフにこだわったところ。参加者は受付で参加費用3000円の支払いと交換に、自分の名前の入ったパスポートと、搭乗券を渡されます。会場の入り口には「搭乗口」の表示があり、会場案内すべてに空の旅への旅出をイメージさせるつくりがされています。手作りパスポートの制作は夜なべだったと聞きますが、このこだわりと作り込みがイベントの真髄です。参加者の山根君が思わず「作り込みがすごい」とツイートしてしまうほどです。

■もう1つは、来場者をいかにリラックスした場に置くかの気配りです。普段と違った発想は、リラックスした場でこそ生まれます。会場は素敵な場所でしたが、けして広くはありません。入場時から食べ物とアルコールを含めたドリンクが提供されます。それも機内食を意識したトレーを添えて。フード&ドリンクをサーブする場所にアクセスがしにくいこと、時間がタイトなので飲食に集中する時間がとれないことから、スタッフがかなりきめ細やかにフードとドリンクの提供や、追加、食べたあとのゴミの回収をやっていました。そんな地道な努力のおかげで、参加者はおなかを満たし、ほろ酔い気分でワークに集中できています。もちろん、スタッフ数が多いからこそ、できることですが…。

■ワークの時間が120分というスケジュール表をみて、少し不安になったのですが、その120分の中も仔細にデザインされており、120分の長さに感じられない内容になっていました。それこそ数分刻み進行があり、自然の旅程を前に進めて行くような場つくりでした。

■時間のことでいえば、驚くほど進行表とおりに進みました。最終的には5分押したようですが、最後の森さんのアナウンスではそれをネタに使う余裕でした。平日19時開催のイベントは、どうしても定刻に全員集まることはありません。主催者として、何分遅らせてスタートするかと、遅れた人をどう取り込むかという2点の備えが必要です。今回は10分遅れでしたが、最初の橋本さんのコーナーで早くもその10分の遅れを取り戻し、あとはほぼスケジュールとおりでした。要は、橋本さんのコーナーで、その日の集まり具合によって10分までの遅れを吸収できような仕掛けになっていたということです。これは結構、大切なことです。

■今回はすべてがグループワークでした。グループは入口で渡される搭乗券で指定されます。こういうスタイルだと遅刻者がいると実にやっかいです。ただ、ワークスすべてグループワークでペアワークを作っていなかったため、1人少ないグループがあっても、さしたる問題もなく進めることができました。遅れた人は、グループのメンバーによって、キャッチアップすることができていました。

■このチームの仕事の進め方は面白く、誰かが「指示」を出したりすることはありません。誰もが誰もに「依頼」というかたちをすることによって仕事が進んできました。つまり、リーダーのいないチームです。皆が自律的に持ち場を守り、その持ち場をよくするために、他者にも協力を依頼するといったことが自然にできていました。もちろん、多くの葛藤があったからのことです。一度、内部での葛藤があると、強いチームになるというのは、その通りなんですね。

■最後にアンケートがありました。私がこの日、一番、いいなと思ったのはこれです。アンケートはどうしても主催者目線で主催者が聞きたいことで構成されがちです。しかし、ここにまで、参加者目線、参加者に何を得てほしいかという思いを込めていました。つまり、アンケートを単なるアンケートではなく、アンケートを回答することによって、その日のリフレクションを参加者ができるようにという仕掛けと思いが込められているのです。これには脱帽です。リフレクションシートのようないやらしい作りではなく、アンケートでリフレクションをしてもらうというのは、使えるやり方だなぁと思いました。

そして、その狙いがすぐに反応になって返ってきます。これはイベントをやっていて本当にうれしいことです。
ある方から終了後に寄せられたメールに、アンケートの際に「仕事のコリ」について書けずにプランクで出して来てしまったことを詫びるとともに、なぜ自分の「コリ」が出てこないのかということをそのあとも考え続け、『コリがわからないくらい、「仕事だから」と割り切っていたことがコリだったのかもしれない』と感じたとのこと。そしてこのイベントについて『煮詰まったときこそ、遊び心って必要だ』と感じたということを書き連ねてくださっていたそうです。たぶん、あのアンケートがなければ、この気づきには届かなかったかもしれません。

相手に何を持ち帰って欲しいか、どんな温度感で家路について欲しいか。そしてそのためには、細部にいたるまでどのようにデザインをするかを真剣に考えることは大切ですね。

自分たちが伝えたいものを伝えるのではなく、来場者を意識して場づくりをするができており、またそれが「仕事旅行」の他ターゲットを決めて自分が伝えたいことではなくターゲットが求めることで旅行をデザインするというコンセプトと重なっているのがとても印象的でした。

■1つ、気になったのは、仕事旅行社に出会わなければ、今日のイベントはどうなったんだろうということです。「遊び」を徹底的に学習すると意気込んだことに対して、テーマを「旅」に置き換えたことによって、得られたものと失ったものは何かなということです。

■仕事旅行社を連れてきたこと以外のこのチームのバリューはなんだったのか、という目線で考えると面白いです(某先生提供のスパイシーな目線ですが…)。私はバリューは「あった」と肯定的です。ある意味、仕事旅行社の裏返しをやったんだと思います。仕事旅行社がやるように、雑誌から面白そうな仕事を取材して仕事旅行をつくるというワークをやってしまってはこのチームのバリューは確かにゼロでした。

『私たち”S-park”は、「なにかを変えたい人」を支援したいという想いから、このラーニングイベントを企画しました』というこの思いを貫きとおせたのが、何よりもよかったんだと思います。モチーフが「遊び」から「旅」に変わっても、そこはぶれませんでした。また、仕事旅行社側の登壇時間は長すぎず、全体の構成の中で上手に取り込んだのは構成デザインの妙です。

■構成は細かくデザインされていながら予定調和的な感じもなく、自然に乗れましたが、最後のところはいろいろなやり方があったようにも思います。最後の30分のアフターのところが、切り離されてしまったように感じましたが、あれももつと中にいれて他者の仕事旅行を観賞しながらリフレクションをやったらどうなったかなぁと感じました。

■旅にお土産はつきものです。最後にJALの機内で提供される「うどんでSKY」などが提供されたのは、これもさすがです。おとなのイベント作りは、細部にまでこだわる遊びの場です。来場者がどう反応するかをイメージしながら、ニヤニヤしながら準備をする愉しみがイベントつくりの真髄の1つです。これを徹底的にこだわるから、イベントのあとの充実感といったものがあるのです。

いい会でしたので、プラスのフィードバックが多くなりましたが、12月8日はどうなりますか。また、メンバー全員にお会いできるのを愉しみにしています。

DSC_3223.jpg
※搭乗口表示、細部にわたってデザインされています。また、各表示に26日開催の「よるのほいくえん」の告知を入れてくれているのもチームワークと気配りとして嬉しいです。

DSC_3229.jpg
※最後のメンバーの紹介。あくまでも控えめで、来場者目線。

DSC_3224.jpg
※仕事旅行の作り方

DSC_3234.jpg
※できあがった仕事旅行の数々。






関連記事
スポンサーサイト
【2014/11/22 10:41】 | 経営学習研究所(MALL) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<させていただきます症候群 | ホーム | どこでも関係構築 ~カウンセリング心理学講座から⑦>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://jqut.blog98.fc2.com/tb.php/2014-04ff880f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |