先週の木曜日は、メンタルコンシェルジュのセミナー。
精神科医の野口先生と、弁護士の山中先生がタッグを組む、異業種格闘技的なコンシェルジュ・サービスを提供する素晴らしいビジネスモデルです。このメンタルコンシェルジュ、専門分野毎にあまりにも縦割りになっているサービスの横連合をしようという企画なのですが、会員企業に相談サービスを提供するだけではなく、年に10本ものセミナーをやってくれています。 そして、その講師陣が凄い。毎回、野口先生が飛び込み営業で話して欲しい方を口説き落としていきます。そんな中でも毎年恒例になっている講師が若干いるのですが、そのうちのお1人、東京大学の玄田有史先生が今回の登壇者でした。さらには今回は懇親会付で、会議室と酒場で玄田節がさく裂していました。 以下、不完全な備忘録ですが、視点の暖かさと鋭さをとても感じます。 ***************************************************** あなたは友達が多い方ですかという問に対して、「どちらかというと少ない」「少ない」と回答した人が、日本では7割いたという。これは他国と比較して相当に高い数値。日本人独特の謙遜的な意味はあるかもしれないが、本当に深い関係の友達をあまり持たない国民なのかなという感じはする。 色川武大の話。人生8勝7敗がちょうどいいという話があるが、この8勝7敗に対して9勝6敗を保ち続けられる人がプロなのだと。とても、納得感がある。 痛みというのは、実は医学的に適切に説明ができない言葉。診察をしてもどこも悪くなくても痛いと感じることがあるし、とても診断的には悪い状況なのに、特に痛く感じない人もいる。 沖縄の言葉で「なんくるないさ」というのがあるが、間違って理解されているケースが多い。怠惰にしていても何もしなくても「何とかなる」という感じにとらえるのは本来の意味ではなく、「今この瞬間をもがき苦しんで徹底的にやれば最後にはきっとなんとかなるはず」というのが、もともとの意味だそうです。この2つの相違は実に大きいです。 昨年の流行ワード。「ありのままで」。ヒット曲ではやるフレーズは世相を表す。要は今はそうではないということの裏返しがヒットを呼ぶ。「ありのままで」いることがとても難しい時代、「なんにも怖くはないわ」とはなかなか言えないような時代。そういうこと。2003年にはSMAPが「Only One」という言葉を流行らせたが、そうなりにくい世相がヒットの裏にはあったということですね。 「今のままでいい」というのは、「今はしあわせ」というのとは違う。そうでも思わないとつらい人が、「今のままでいい」と語ることもある。「べつに」というフレーズも同様。ここには希望が必要。希望については、少しずつ希望を育てていくという感覚がある。つむいでいくというイメージがある。 Hope is a Wish for Something to Come True by Action. 希望について。まずは気持ちが必要、真剣勝負の世界(Wish)。そして具体的な何かが必要(Something)。今はまだない存在、でもやればできるんじゃないかという存在(Come True)、そしてそのための手段はやってみること(Action)。この4つが希望では大切。 「国民に希望を与える」といっている政治家が一番怪しい。信用してはいけない。確かに同感。果たして、希望は与えられるものなのか。 「変わらず守り続けたいもの」、「これから変えていきたいもの」を自分たちで話し合って決めることから本当の地方創生は始まる。これもとても同感。 「希望に一番大事なのは遊び」。 幸福というのは今の概念。希望というのはこれからの思い、これからこう変わったらいいなぁという思い。幸福感を持つは往々にして人生を物語としてみることができる。 人生まんざらでもないなと思うのは実に素敵なこと。 年賀状をすべて同じ文面で印刷し、宛名も印刷し、何も一言添えないようなタイプの人は、何枚年賀状を出そうとWeak tiesをつくれない人。 Strong ties は安定感を招く、安定感は幸福感につながる。ネットの世界は「イイネ」かダメの二択、0対100の世界に陥りやすい。Weak ties というのは、そうではないもの。 ![]() ※何となくWeak ties的な写真を選択してみました。
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