ナビゲーションは思考停止を招く ~就活にもナビゲーション強化の流れが
就職ナビサイトを使わない採用というのが、散見されるようになりました。
となると、就職ナビサイトも、生き残りのために、いろいろと工夫をします。

とある就職ナビサイトの担当が上司を連れてくるというのであったのですが、今年(2017年度採用)の目玉は、ナビゲーション機能の強化だそうです。同社が提供する適性テストをナビに登録する学生に受けてもらって、あらかじめ顧客企業から提供してもらう企業が求める学生像とのマッチングを行い、学生の適性テストの結果と親和性の高い企業について、学生にエントリー誘導させるというのがこの機能です。

何となく合理的な感じがしますが、2つの面からこの機能は大嫌いです。

まずは、適性テストの何が高い人を欲しいというように、企業の採用観はシンプルではないのです。これが高い人は確かに欲しいけど、低くてもこんな人なら面白いよね、といったような感じて、個々の項目のみでで欲しい人材像など決められません。もちろん、一糸乱れず上司の言うことを聞いて同じ作業をすることを求めるような企業なら別ですが、いまどきそんな企業が創造性を発揮してビジネスを拡大できるとは思えません。求める人材像論議で変にエッジを立てることには、私は違和感を感じるところがあります。

そして、何より適性テストであなたにあった会社をナビゲートするという思想が好きになれません。ナビゲートというのは、結構危険な行為なのです。

カーナビが普及した結果、地図を読むことができない人が普通になりました。というか、地図というもの自体が不要になり、ドライバーはカーナビに命じられているかのごとく運転マシーンに化してしまうリスクもあります。私はそれがいやなので、カーナビはこういうけど、絶対こっちが早いといってカーナビと勝負しながらドライブするのが好きです。結構、それでも高い勝率を得られています。

ナビタイム、駅探、乗換案内などの隆盛により、いまや時刻表を読める人は絶滅の危機に瀕しています。私は中学校の頃、趣味が時刻表でした。毎月、時刻表を買って、日本全国に思いをはせていました。時刻表を意識し始めたのは、松本清張の「点と線」を読んだのが大きいです。でも、今や誰も時刻表などはみずに、ナビタイムらに命じられるままに電車を乗り換えています。

つまり、進んだナビゲーションというのは、人に思考停止をもたらすものなのです。webの世界では、自社に都合のよい方向に誘導するためのナビゲーションの提供が花盛りです。

そういったことを考える中で、就職活動を前にした大学生に対して、あなたに会う会社はここだからエントリーしましょうとナビゲーションされて、その会社にエントリーをするというのは、いったい何なのでしょうか。この危険性と弊害をこのナビ会社は理解しているのでしょうか。
2年前に、あなたの先輩のエントリー数に比べてあなたは半分しかエントリーしていないですよと、学生を不安感に陥れる手法をとって批判されたのに比較すると、まだまだ良いやりかたなのかもしれません。でも、「考える」ことを大学時代にきちんとやってほしいと思いますし、就職活動も「考える」場にきちんとして欲しいなぁと切に願います。

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