できない人への指示~「お客様には真心を込めて丁寧に接しなさい」
仕事ができない人にはできないなりの理由があります。

やる気がまったくないという場合を除いては、このできないなりの理由にアクセスできないと、なかなか仕事ができるようにさせてあげることはできません。ただ、できる人の論理でできない人の気持ちや状況を理解するのには、なかなか難しいものがあります。できる人からみると、どうしてできないのかがわからないのです。なので、どうしても適切なアドバイスができません。

例えば、毎日、仕事が遅くなってしまう人に「残業を減らせ」と指示したり、残業時間の制限を入れたりしても、本質的な解決にはなりません。残業代を稼ぎたいというよこしまな意志をもっているようなケースを除けば、その人はどうやれば仕事が早く終わるのかがわからないから残業をしているのです。なので、「残業を減らす」という「総論で」、「抽象的に」指示するのではなく、1つひとつの仕事の「各論で」「具体的に」指示する必要があります。冗長で丁寧過ぎる提案資料を書いているのであれば、提案資料は1ページにまとめることというなどといった明確な指示が必要です。

「お客様には真心を込めて丁寧に接しなさい」という指示があったとします。

これは正論であり、誰しもこの指示は正しいと思います。そして、その通りに実行したいと思います。ただ、人によって「真心をこめて」の意味も「丁寧に」の意味も違ってきます。さらには、「真心を込めて丁寧に接する」のが大切だというのはわかるけど、何をすればそうなるのかがまったくわからないというレベルの人もいるでしょう。なので、「総論」「抽象的」な指示ではなく、ここでも「各論」「具体的」な指示が必要です。例えば、「お客様に商品をお渡しするときは必ず両手でお渡しするようにする」「お客様がお帰りになる際には、かならずお店の出口までお送りし、角を曲がってお客様が見えなくなるまでお見送りをする」とかいうレベルです。行動ばかりで心がこもらないじゃないかという人もいるかもしれませんが、行動から心が増幅されていくこともあります。心はあるもののそれが行動に移せないのであれば、何一つお客様には伝わりませんから、どちらがよいのかは自明の理です。

「資料はなるべく早く提出しなさい」「会議は効率的に進めなさい」「お客様との商談を意味あるものにしなさい」「チーム力をもっと高めなさい」「クレームは宝だと思いなさい」「もっと商品知識を増やしなさい」「お客様に高感度を持たれる身だしなみを心がけなさい」

いずれも、よく出る指示かもしれませんが、「総論」「抽象的」な指示で適切に動ける部下は、ごく一握りだけだと思った方がよさそうです。

H 7LJR 850
※「各論で」「具体的に」書かれている「ラーメン大」の掲示。二郎の世界に慣れていない人でも、これなら大丈夫です。
関連記事
スポンサーサイト
【2016/01/09 23:58】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<「倉嶋 紀和子の古典酒場部」 第1回 | ホーム | 「知識」と「スキル」の違い>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://jqut.blog98.fc2.com/tb.php/2189-498dae34
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |