仲間内での感動体験 ~採用面接から
採用面接をしていてよく出会うのが、仲間内での感動体験ストーリーです。

サークルやゼミでの人間関係のもつれがあったり、折れそうになった仲間がいたりして、それに自分がある関与をしたことによって、ハッピーエンドが得られたというストーリーで、なかなかいい感じの話が語られます。呑み屋できいたならば、頑張ったね、さあ、乾杯しようとでもなるのですが、面接ではそうはいきません。それらをベースに、自社での仕事ができる人なのか、自社に入ってお互いにハッピーになれる人なのかを見極める必要があります。

注意点は4つほどあります。

第1には、話を盛っていないかの確認です。可能性としては創作ということすらあり得ないこともありません。多少、美化したり盛ったりするのはご愛嬌でいいのですが、一応、確認はします。これは、具体的に掘り下げれば、たいていはわかります。意図的に盛るのではなく、実は自分が主体的に関与したのではなく他者のお手柄なのに自分のように語っているというパターンもあります。これを無意識にやっているケースもあります。事実を掘り下げるだけでなく、その時の感情を確認したりしながら、比較的短時間で検証ができます。

第2には、その経験から何が学べているかの確認です。面接でトピックスとして出すようなテーマです。そこからきちんとした学びがないようですと、経験から学ぶ力がついているとは思えません。感動ストーリーに自分で感動して終わっても仕方がありません。ひと夏の想いででしかありません。きちんと自分の感動ストーリーを振り返ることができ、そこから何かが学べているかです。別に綺麗には言語ができていなくてもいいのです。感動ストーリーを俯瞰的に見れたり、様々な視点からとらえられたりということができると少し安心できます。どっぶり主人公で感動に浸ってただただエンドロールをみて涙しているというのは、人生としてはありだとは思えますが、社会に出てからの再現性という意味では安心感は持てません。

第3には、社会に出てからの再現性という観点でいえば、狭い仲間内での感動体験に留まっているエピソードは、多様な価値観が交錯する人間関係の中で利害関係に満ち溢れた魑魅魍魎が闊歩するビジネス世界(脅かし過ぎ?)で通用するかはわかりません。ここを見極めるのは極めて難しいのですが、話を聞いていて感動ストーリーではあるもののついつい牧歌的に感じてしまう話だと、なかなか安心はできません。

第4には、そもそも感動体験というスポットでは合否決定はしにくいということです。私はよく「で、普段は何をしているの?」とか、「いっつもは何して過ごしてるの?」という質問を大学時代のハイライト説明が切りつきそうなときにいきなりききますが、私たちが知りたいのは、その人の切り離された非日常ではなく、果てしなく続く日常の姿です。だって、仕事って果てしなく続く日常そのものなんですから。もちろん、非常時の対処姿勢にも関心はありますが、そっちに特に興味がある会社は圧迫面接でもやればいいんです。どちらかというと、私は日々の物事の捉え方や行動の特性、対人関係の特性などの方がより興味があります。

「人生は要約できない。要約した時に抜け落ちる部分こそが、その人の人生なのだ」 ~伊坂幸太郎「モダンタイムス」より。

面接をする都度に、この言葉を思い出します。
典型的な要約された場である、面接、エントリーシート、履歴書というツールに埋もれながらも、抜け落ちた部分を理解しようとすることが大切なのかなぁと思います。それにある程度、確信が持てると自信をもって内定の決断ができます。

023 かるちゃん

※酒場探訪シリーズ023 かるちゃん@蒲田 (鰻が好きです。鰻串が好きです。蒲田は馴染みのない店ですが、たまたま隣り合った人と2軒目に繰り出しました。)




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【2016/03/21 12:14】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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