俳優の俳優たる尊厳 ~音楽座ミュージカル、終演後から
音楽座ミュージカルの「リトルプリンス」を観ました。

実は先週も仲間と観たのですが、あらためて別キャストで別アングルで今回は1人で観劇しました。
そして、今回は終了後の「ダメ出し」の振り返りの場に同席させていただきました。最近では、これも研修に取り入れているとのことですので、見逃せません。

公演が終わり、お客様のお見送りが終わったのちに、出演者やスタッフが全員集まり、輪になって座ります。毎回、流れは違うんだと思いますが、ここから相互のダメ出し、フィードバックが始まります。実は、この日は2時間におよびました。ついつい最後までオブザーブさせていただいちゃいましたが(最後までいたことに最後に意味がありました…)、本編よりも長い時間でした。たまたま、演技外でのトラブルもあり、非常に本質的な話し合いがなされていました。

音楽座ミュージカルは、皆で公演を作り上げていきます。そして、単に「やり方」をテクニカルに研ぎ澄ませばいいということではなく、一人ひとりの「あり方」を問います。ですので、ダメ出しも単にテクニカルなことばかりではなく、それこそ演技との向き合い方、もっといえば「生き方」まで問うような深みがあります。これは、なかなかしんどい。

でも、先輩からのダメ出しは、きちんと具体的な事実に即して指摘をしており、フィードバックの原則にしっかりとのっとっています。なるほどと感じます。若手も頑張って発言しますが、ややふわっとしたダメ出し、フィードバックになりがちなのですが、逆にその人の価値観とか思いが伝わってきて、それはそれで感じるものがあります。

かなり厳しいダメ出しに耐えられるのは、成長しようという心、もっとお客様に感動してもらえる演技をしたいという心、そして何よりも「プロ根性」と「責任感」があるからだと思います。これがないと、多分、苦しくて離脱していってしまうでしょう。それでも、なかなか正面からは受け止められないようなこともあります。それを乗り越えられるのは、ダメ出しのベクトルは当然ですがダメ出しされる人に間違いなく向いているのですが、その先には「もっとお客様に感動を届けたい」という全体の思いが1つのベクトルとなって束ねているからなのだと思います。これは、とても大切なことで、そういう風に組織がなんとか成り立っていないと、高いレベルでのダメ出しはかなりの危険を伴うものでもあるのだと思いますが、それを承知でこの人たちはやっています。そして、それを束ねるのがオーナーの教えなのでしょう。

あと、他者にダメ出しをするというのは、相当にエネルギーが必要なことです。それがわかっているから、ダメ出しをされた人は聴く耳を持てます。また、当事者意識をもたないと、他者にダメ出しはできません。自分の演技にダメ出しされるかなぁということばかりに気持ちが行っては、他者には言えません。

一番最初に、2人の人が今日の自分の良くなかったところのダメ出し自己申告をしていました。昨日は、納得できなかったことに対する発言をしていなかったという話もありました。最初のうちは発言者が極めて限られていました。ひょっとすると、このやり方にちょっと慣れてしまってきたのかもしれません。
そこに、トラブルの話がありました。細かい記述はしませんが、ここから空気感が変わりました。最初よりもさらにひとりひとりが自分事として、この場に存在していたような感じがします。正直、自分自身も最初は椅子に座ってオブザーブしていたのですが、このあたりから皆さんと同じように床に直座りするようになりました。同じ目線にいたいと思ったのです。時間を忘れて引き込まれていきました。具体的らはあまり書きませんが、何人かの言葉には、本当の心を打たれました。真剣で本気だからです。

上田さんが語った「俳優の俳優たる尊厳」という言葉がとても心に残っています。これはすべての仕事に置き換えられるように思います。「人事パーソンの人事パーソンたる尊厳」、「マネージャーのマネージャーたる尊厳」。プロフェッショナルとして大切にするものであり、まさに「あり方」でもあります。でも、仕事に慣れてくると、ついついこの大切なものを忘れてしまいがちです。忘れてもそつなくできるようになっちゃうからですね。

今回の2時間。たぶん毎回、ここまではいかないんじゃないかなぁというくらい、凄い場に立ち会わせていただきました。とっても感謝します。

そして、ずっとこの人たちのこれからを追いかけていきたいなぁと思いました。

これを研修としてどう活かすかという部分までは、今の時点で整理できていません。これについては、このあとの宿題とさせてください。

DSC_1937.jpg 
※こんな缶バッチのガチャガチャが、開演前の観客席をまわります。それ以外にも、開演前、開園後のふれあいが他ではなかなかない稽古場での公演です。




関連記事
スポンサーサイト
【2016/12/25 23:01】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<相手の目をみて話すことができないんです | ホーム | あらためて、コーチングの定義>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://jqut.blog98.fc2.com/tb.php/2274-f215c953
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |