初任配属の多くを「営業」としている企業は多いですね。
もちろん需要の問題はあるでしょうが、やはりこれだけ多くの企業で大量の新入社員が営業に配属されるのは、間違いなく営業が社会に出て初めての仕事として「新人を育てる」仕事だからです。 特殊な分野のポテンシャルを明確に持っている人、すでに学生時代に社会と日常的に接触していた人を別にして、「普通の文系新入社員」にとってやはり営業は成長を勝ち取れる職場です。 その理由をいくつか整理してみます。 ①.日々、多くの人に出会う。 学生社会と企業社会のもっとも大きな違いは「多様性」です。限られた人とだけ付き合っても生きていけるのが学生時代、そして、自ら選んだ人とだけ濃厚につきあえばすんだ学生時代、そこでは往々にして同質性の強い集団で生活してしまいがちです。社会ではこれが違います。実に多様な人と一緒に仕事をしていくことになります。多様性の洗礼は、内勤よりも営業の方が圧倒的に強く受けます。年間に合う人の総数がまず違いますし、その大半が社外の人であることがまた大きいです。個人的にはBtoB営業の方が、学びにつながる多様性がさらに得られやすいように感じます。 ②.日々、理不尽に対峙できる。 「多様性」と並んで学生社会と企業社会の違いを表すのは「理不尽さ」ですね。社内で仕事をしていてもそれなりの「理不尽さ」は体感できますが、営業でお客様から突き付けられる「理不尽さ」は社内とは比になりません。ただ、最初は「理不尽」と思っていても、実はお客様からみれば合理性があったり、自分の準備不足に起因することだったり……、とそこに様々なリフレクションが生まれます。数年もたつと過去の「理不尽」は自分の肥やしになっています。 ③.フィードバックに満ちている。 営業職ほど「フィードバック」に満ちている仕事はありません。日々、商談の中でお客様から「フィードバック」のシャワーを浴びることができます。テレアポで「ガチャン」と電話を切られるのすらある意味「フィードバック」です。これらの「フィードバック」から逃げずに真摯に立ち向かうことにより、成長は勝ち取れるものです。内勤の人が上司・先輩ら周囲のほんの限られた数名から日々いくばくかの「フィードバック」だけを得て仕事をしているのに比較して、量・質ともに営業の「フィードバック」は実に豊富です。 ④.面で育ててもらえる 新人を育てる役割を担うのは上司や先輩、OJTリーダーやメンターなどが中心ではありますが、実際には新人を取り囲む多くの人が新人を育ててくれています。多くのお客様も新人の育成に一役を買ってくれているのです。多くの営業パーソンが、社内だけでなく、お客様からも鍛えられたという実感を持っているものです。 ⑤.経験学習のサイクルがわかりやすくまわる。 取り扱う商品にもよりますが、1つのクライアントに1つの商材を長期間をかけて売り込むといった商売を除けば、営業の仕事は日々、経験学習のサイクルをまわすことができます。そして「持論化」のプロセスが磨けるのが営業の特性です。2軒として同じお客様はいませんが、別のお客様での経験が必ず次のお客様との商談で活きるのです。これは単に知識が増えたからということだけではありません。経験学習のサイクルがきちんと回っているからです。それは、営業というのが豊富な「フィードバック」と「リフレクション」にあふれた仕事だからです。 これから暑い季節を迎えます。 営業に配属された新人にとっては厳しい季節です。なかなか商談がうまくいかないこと、契約がとれないこともあるでしょう。でも、ちゃんと真摯に前を向いてさえいれば、間違いなく成長が勝ち取れる仕事が営業です。ちょっとくじけそうな新人営業がいたら、ここで整理した5つの成長できる理由も参考にして、目線を少しあげさせてあげてください。
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