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シェアード・サービス・センターの価格体系① ~SSC談話002~
週に1回はシェアード・サービス・センター(以降、SSC)の運営について書くことにしようかなと思います。この仕組みって、やっぱり必要だと思うのですが、担当されている人にとってはその運営はなかなか難しいと感じますので応援を少しでもしたいです。もちろん学術的な専門家ではないので、実務経験から感じたこと・得たことどまりとなりますし、私が経験したのは人事SSCなのでやや偏りがあるかもしれません。いずれにしても、私はSSCという形態にまだ大変な期待をしています。そんな思いも込めつつ書きたいと思います。多くのテーマは別にSSCだけに関係するテーマではなく、組織全般に通用する話かもしれません。
ただし、今日のテーマはいきなり面倒な話「価格体系」の話ですので、SSC固有の課題ですかね。

SSC設立の大きな意義の1つは、従来は単に一定基準でコストを配賦していた間接部門の業務について、きちんとした単価を付け、それをサービスの対価とすることだと思います。これは仕事の本質を変えることです。SSCを設立しても、旧来の配賦と変わらないような価格体系のSSCも見受けられますが、個人的には理解ができません。

価格体系・単価表の整備によって、間接業務が「専門サービス」という商品になり、コスト感覚とか、品質管理意識とか、顧客意識とかいうものが芽生え、比較的内向きであった間接業務の担当者にも企業家としての意識が生まれ、それらが業務改善へのエンジンとなっていき、最終的にはグループの収益・価値へ貢献ができるというプラスのスパイラルを生み出すことが大切です。これなくして、SSC設立の意味はないといってもいいくらいだと思います。
グループ全体の経営が厳しくなり、グループ企業のコスト意識がさらに高まってきた場合、曖昧な価格体系のSSCではグループ企業からの価格引下げ交渉に対して有効な交渉が出来ません。もともとグループ企業は間接業務の専門サービスに対価としての料金を払う習慣を持っていませんから、往々にして「当社のSSCは高い」と思いがちです。漠然とした価格引下げ要請にコスト削減で対応していてはメンバーのモチベーションは下がります。少なくとも市場価格との比較論の中で、広い意味でのサービスの質の比較も持ち出し、価格交渉ができるようなロジカルな価格体系は絶対に必要です。

業務に単価を付けるためには、当たり前のことですが原価計算が必要です。間接業務の多くでは、SSCという概念が導入されるまでこの原価計算がほとんどされていなかったのではないかと思います。きちんと業務別の原価計算をするだけでも、仕事のスタンスは大きく変わります。
間接業務の原価は、例えば私の経験した人事部門でいえば、大きく3つに分解されると思います。①人件費、②システム使用料、③外部支払い経費、とでもなりますでしょうか。それぞれを業務別に分解すれば、原価計算は可能になります。私が立ち上げた人事・給与専門のSSCでも、それなりに原価計算をすると、年末調整の計算1人あたりいくら、新卒採用1人あたりいくら、新任管理者研修1人あたりいくら、賞与金の計算1人あたりいくら、人事異動の通知1回あたりいくらという原価が出ます。

でも、この原価をそのまま単価にしてはいけません。次の2つの点が大事です。

 ①市場価格に対して競争できる合理的な価格であるかどうか
 ②安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格であるかどうか


市場価格については、今やほとんどの業務で入手可能です。ただし、同じ「年末調整の計算」といっても、仕事の幅や深さは違いますから、仕事の中味をよく確認して比較する必要があります。
そして、あまりに市場価格とかけ離れた業務があった場合には、次のことを疑います。

 ①何か仕事のやり方にひどく非効率的な部分があるのではないか
 ②何かあまり必要とされていない過剰なサービスを提供しているのではないか

このような場合、当初は赤字の価格設定をして業務の改善を図る、何てこともあっていいと思いますが、いずれにしても市場価格と比較することにより、自社の業務を客観的に見直すことができます。私がSSCを立ち上げた際には、その前年に人事給与アウトソーサーからとったフルアウトソーシングの見積もりを比較すべき市場価格に設定しました。かなりの回数のヒヤリングと、それなりの業務分析の上で出していただいた見積りなので、比較対象としてはよかったと思います。受注できかなったアウトソーサーの方には恐縮ですが。

さて、価格体系をつくるためのポイントというか工夫は他にもいろいろとあります。ちょっと長くなったので次回で、ということにさせてください。


あれやこれやで仕事でばたついていますが、夜は慶応丸の内に行き、勉強会。このような会を運営される方には頭が下がります。テーマはメンタリング、熱い人達は話すのが本当に好きです。

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