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シェアード・サービス・センターの価格体系② ~SSC談話003~
昨日の続きです。
シェアード・サービス・センター(以降、SSC)の価格体系について、以下のことを昨日は好き勝手に書いていたと思います。

①配賦方式ではない業務単位の仔細で具体的な価格体系の整備が大切
②そのためにはきちんとした原価計算が必要
③ただし原価計算で出した原価をそのまま利用して単価を決めてはいけない
④原価から導き出した単価は、市場価格に対して競争できる合理的な価格であるか
⑤原価から導き出した単価は、安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格であるか

今日は⑤の説明です。SSCは自身の都合で事業をやめることができません。グループ戦略の中での役割を担っているわけですから、収益性が落ちたから廃業するという勝手はそうそう通用しません(逆にグループ戦略の中で突然に潰されるリスクはあるのですが…)。ですから、「安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格体系であるか」はとても大事な観点です。

業務にもよりますが、わかりやすそうには見えるものの単純な「単価×数」の価格体系は避ける必要があります。仕事に価格をつけろ、といってもこのような単純な構造はいけません。私は基本的には「基本料金+(単価×数)」の価格体系をとっていました。SSCのコストも他の事業と同じく、固定費と変動費からなります。SSCでいう固定費とは、事務所経費・社員人件費・基幹システム維持費が主でしょうか。この固定費を可能な限り「基本料金」部分でまかない、「単価×数」の部分で変動費をまかなうことができれば理想的ですよね。しかし、もともと間接部門では、固定比率相当部分が相当に高かったことと思います。ですから、もともとの間接部門の感覚で業務設計をすると、「基本料金」が非常に高く、逆に単価は非常に低くなり、結果的には配賦に極めて近いものになります。これでは意味がありません。

そこで、SSCに求められるのは、固定費の最小化、変動費の最大化施策だと考えます。これによって、本当の単価制に近づくことができます。固定費の最小化のためには、人件費中の明らかに固定的である社員の占める比率を下げたり、派遣・委託についても固定的なものは可能な限り減らし、当用買いできるような方策を考える、システムについても同様……、といったところです。さらに固定費を削減するためには、季節業務は外注するという手もあります。給与関係で真っ先に手を打ったのは、年末調整と地方税の年度更新でした。アウトソーシングにはそのインターフェース部分にそれなりのノウハウが必要ですので、SSCがそのインターフェースを担うのは1つの考え方だと思います。場合によっては、将来の理想のSSC像は社員は1~2名しかおかないアウトソーシング・コーディネーターではないかとも一時期は考えていました。

この考え方で単価表をつくると、例えば月次給与計算業務では、会社規模別に定めた「給与基本料金」と、「各給与業務の単価×サービス提供人数」となります。各給与業務とは、月次給与計算・所得税計算・地方税計算・社会保険事務・財形制度運営……と細分化して、それぞれに単価をつけていきます。グループ会社が何までを選択するかは自由です。社員が1000名の会社でも、20名の会社でも、同じようにかかるコストが当然にありますので、基本料金はいただく必要があるわけです。この体系でいくと人数が多い会社の方が結果的には1人あたりの単価はかなり安く委託ができ、スケールメリットは提供できます。

でも、これだけではまだ不十分。例えば、給与計算の場合では社員が1000名で1つの賃金制度の会社よりも、社員は200名だけれども4つの異なる賃金制度がある会社の方が実は手間がかかったりします。ですから、「給与基本料金」とは別に「賃金制度運用基本料金」といったものを制度数だけ請求し、業務の負荷と受託料のバランスをとります。
とはいっても、完全に固定費を基本料金でまかなえるほどの変動費化はさすがに無理です。このあたりは、SSCに急に発注がまったくこなくなることはないだろう…と多少の甘えがあってもいいかと思います。何事も「0」か「100」ではないですから。

何だか複雑な話になってきましたが、大事なことは以下の2つです。

①業務が増えれば料金も上がる、業務が減れば料金も下がるという当たり前のことがオートマチックに成立する仕組みができていること
②大きな変化があってもSSCとして安定したサービスを提供し続けられる仕組み(固定費をある程度はカバーできる仕組み)が組み込まれていること


②についてですが、例えば何かの都合である業務の対象人数が10000人から5000人に減ったとします。当然、業務が減るのでコストはそこそこ下がりますが、システムを捨てられるわけでもなく、人数が変わっても同じようにやらなければならない部分の仕事もありますから、原価は半分には絶対になりません。そんなケースでもそれなりには耐えられる仕組みがあるかどうかです。

どういうわけやら、また長くなってしまいました。料金については、もう1回続きを書かせてください。次はもう少しシンプルな話です。


※終日、社内や親会社でいつくかの会議。会議の合間に仕事の処理をしますが、どうもちょこっと雑になります。特に相談への対応が雑になる、いけませんね。
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