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シェアードサービスセンターの陥りやすい落とし穴 ~SSC談話036~
さて、昨日は少々昔話をしましたが、2001年から2005年6月までの私の趣味は、シェアードサービス(と人事給与システムのCOMPANY)だったといっても過言ではありません。そのくらい、多くの会社のシェアードサービス関係者とカンカンガクガクの議論を重ね、内部でも小さいながらもいろいろなチャレンジをしました。

今日では、シェアードサービスはやや下火になってきたと感じています。ある意味では成熟化・一般化したともいえます。

この背景を私なりに簡単に分析してみます。多くのシェアードサービスセンター(以降、SSC)を見てきましたが、おおよその共通項としての「落とし穴」のようなものがあるように感じます。もちろん上手な運用を続けているSSCも数多くあるわけで、それらのSSCは以下の「落とし穴」にはあまり入らずに進めてこれたのだと思います。以下、5つの落とし穴を整理してみます。

①単機能SSC(人事だけとか、経理だけとか)から大きなSSC(スタッフ部門全体とか)へと潮流が変わり、SSC内の一体感が損なわれ、リーダーシップが分散し、道標が不明確になった。また、間接部門であるSSC内にSSC運営のための間接部門を持つという自己矛盾も生み、コスト体質を弱体化させた。

②設立数年を経て、SSCがグループ各社に振り回されはじめ、主体的・効率的な運用をすることがなかなかできず、組織が疲弊し始めてきた。それとともに、業務の主体性を確保できないことにより、業務の効率化・コストの削減が順調に進まなくなってきた。

③SSCの最大のミッションは、グループ各社が間接業務に煩わされず本業に特化できる環境を提供することであるが、SSCのコスト削減・業務効率化が自己目的化し、逆にグループ顧客に業務上の負担を強いる、サービスレベルを低下させるなどといった自己矛盾施策が散見され出し、グループ各社からの信頼を失い始めた。

④SSCが過去の間接部門機能分社会社(不動産子会社、保険子会社等)と同様にとらえられ、ある種の人材再活用機能を期待され始めたため、SSCメンバー全体の専門性が低下し、高レベルの企画・サービスを提供できなくなってきた。あわせてもとからいるメンバーのモチベーションの低下も招いた。その結果としてグループ各社からの信頼と期待感を失い始めた。

⑤設立時はどこのSSCも新規事業立ち上げタイプのリーダーを擁していたが、第二世代・第三世代に移るにつれ、メンテナンス方のリーダーに移行していった。同時にメンバーも変わっていったが、これら新メンバーにSSCの理念と行動原則を適切に継承することがなかなかできなかった。

どうでしょうか。上手に運営できているSSCも、苦戦しているSSCも、こういった「落とし穴」を再検証してみてはいかがですか。

きちんとブラッシュアップさえできれば、まだまだ日本においてはSSCは期待できるビジネスモデルだと思っています。特に未曾有の経済危機を迎えて、各事業部門・事業会社は徹底的にその経営資源を本業と成長分野に投入して戦い抜く必要があります。その環境を支援するこそが、間接部門の役割であり、まさにSSCの役割だと思います。今年のような時こそ、しっかりとしたSSCが求められている時期はないように思います。


※《2009年1月3日》 今年も初詣は亀戸天神へ。真昼間から「ホルモン青木」でホッピーを飲んで、バスでぐっすりと眠って帰りました。

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