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人材育成に関しての新しい常識
「100年に1度の不況」にもだいぶ慣れてきました。

細かいところでは回復基調も見え、選挙目当で景気のいい施策の話もあれこれ出てはきましたが、業種・業界によっては厳しさは続いているようです。今回の不況は単に循環的なものというよりも、何かの変節点であったと後の時代には整理されるのかもしれません。例えば、生活者の価格志向はきっとこれからも強化されていくばかりでしょう。新米が売れないという話があるそうですが、保存技術の向上だけでなく、新米にコストを払うという価値観が薄すれていることが最大の原因でしょう。それにしても、「100年に1度の不況」というのは、とてもキャッチーな言葉であり、こういうキャッチーな言葉ができると概念がさらに浸透・拡大する傾向があります。意図的にこの言葉を送りだした人がいるのだとすれぱ、これはすごいことですが。

さて、この不況で人材育成・能力開発ビジネスも苦境に陥っています。不況で予算をカットする「3K」(交際費・広告費・教育費)の1つである教育費はまたぞろ削減傾向です。かなりドラスティックな企業もあるようです。不況だから人材投資は少し横に置いて……、ということでしょうが、本当にそれでいいんでしょうか。

不況なので人材育成の費用を切り詰める、これはありかもしれせん。ただ、それが「不況なので人材育成の重要度を下げる」と映るとまずいことになります。

古典的な経営学の教科書では「ヒト」「モノ」「カネ」が経営資源の3要素として挙げられています。最近ではこれに「情報」とか「知的資産」とかを加える人もいますね。しかし、いずれにしてもこれらが並列に扱われるのには違和感を感じます。それは、「モノ」も「カネ」も勝手に生まれるものではなく、「ヒト」が作るものだからです。「情報」も「知的資産」も同様です。「ヒト」はすべての経営資源のさらにベースにあるもので、並列関係にはけしてないものです。ですから、この「ヒト」の底力をあげることこそ、企業の底力をあげることに他ならないのです。その意味では、不況期こそ、人づくりには注力しなければならないわけです。

同じ時間働いても、人のパフォーマンスには大きな差があります。同じ給料を支払っても、パフォーマンスには120%はおろか、200%以上の差がつくケースも少なくありません。これは直接に企業の競争力に影響を与えることです。不況の今だからこそ、人を育てて発揮するパフォーマンスを高めることが重要です。。

ところで、こんな不況にあっても今は良い時代だという人もいます。業界全体が好況の時は、誰もが売れるし、誰もが儲かる、いってみれば個々の企業の努力はあまり関係がなくなります。それがまさに好景気です。しかし、不況は頑張っている人と、頑張っていない人の差が明確につく時代です。確かにこちらの方が健全な時代かもしれません。ここでの差はどこからくるのでしょうか。実は好況時に浮かれることなくリーダーがひたむきに自らを磨き、地道に部下を育ててきた企業こそが、不況期にも輝けているのではないでしょうか。

だから、今こそ人事部は人材育成を考える必要があるわけです。改めて人材育成とは何か、能力開発とは何かを考える必要があるわけです。人事部がやりたい目新しいことを経営層を説得してやる「人事自己満足型人材育成」、全従業員に広くあまねくメニューを提供し出席者の半分はあくびをしている「ばらまき福利厚生型人材育成」から抜け出し、本当に「成長したいという人を育てる」「戦略上必要な人材を伸ばす」「現場の困ったを支援する」ような人材育成が今こそ必要なのだと思います。

コスト削減が急務なのであれば、お金をかける必要はありません。まずは、経営者そして組織のすべてのリーダーが「人を育てる」ことが大切なのだと心から思うことから始めればよいのだと思います。

春先から以前いた企業がお得意先向けに出している情報誌に「今こそ人づくり」というタイトルで連載をさせていただいています。初回で不況期を迎えての人材育成について書いた上で、以下のような「人材育成に関しての新しい常識」というのを整理しました。ちっとも新しくない、と思うところもありますが、ご紹介して、今日はおしまいにします。

《人材育成に関しての新しい常識》

①不況の今だから、なおさら人材育成が大切になる。
②人材育成は別に多大なコストをかけなくてもできるものだ。
③人材育成とは、社員の能力を高めることが目的ではなく、社員の能力を高めたり、経験を積ませたり、モチベーションを向上させたりする総合的な取り組みによって、結果として組織と個人のパフォーマンスをあげるためのものだ。
④リーダーが本気にならなければ、人材育成は成功しない。人材育成は連鎖するもの。
⑤リーダー自らが成長へのひたむきな努力を続けることが大切。
⑥人材育成は誰かの仕事ではない。すべてのメンバーがそれに携わっている。
⑦人材育成にはセオリーがある。自己流たけで進めるのは間違っているだけでなく、危険である。
⑧すべての人に対して同じ育成方法が通用するものではない。各自の動機に注意する必要がある。

《2009年8月13日》 昨日自宅を片づけた勢いもあり、なぜかオフィスの席周りも片付けました。明日から3日休みなのですが、仕事は片付いていません。がんばります。


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