Learning Bar ~良い仕事とは~
昨日は今年最後のLearning barでした。開始少し前に東京大学の福武ホールに到着。今回は、当選倍率2倍以上だそうです。

今回のテーマは「良い仕事」。

三井物産の渡辺さんが三井物産における組織文化変革への取り組みをお話になり、それを受けて金井壽宏先生が「学ぶ個人が貫くモノと、ぶれない組織が貫くモノ」と題して40分ほどお話になりました。そして、ペアディスカッション、中原淳先生のラップアップ、学生からの素敵なおまけと続きました。

渡辺さんとは中原淳先生が慶應MCCでやられた「ラーニングイノベーション論」(来年もやるそうですよ!)でご一緒であり、そのOB会である「学び舎(YA)!」初回でこの日のお話の原型部分を一度、お聞きしています。渡辺さんは、今朝、バンコクから戻ったばかりとのこと、大きな荷物をゴロゴロさせて本郷までお出でになっています。それにしても、200名の聴衆と中原先生、金井先生の前で素敵なプレゼンでした。

Learning barといえば、通常の勉強会が「聞く⇒聞く⇒聞く⇒帰る」で完結するのに対して、「聞く⇒考える⇒対話⇒気付く⇒外で語る」という学びのプロセスを得るものですが、今回は10分間のお休みが2回入り「歩く」がこれに追加されました。200名の参加者から寄せられた短文の「私の良い仕事」が色とりどりの紙に印刷され、会場の後ろに掲示されています。これをビール片手にギャラリーウォークするというものですが、1つ1つ、つい読みいってしまう内容です。金井先生もメモを取りながら、丹念に読まれていました(やっぱり金井先生はメモです!~会場におられないと通じないと思いますが…)。

三井物産は「人の三井」で知られている会社ですが、2つの不祥事を経て様々な再発防止策に取り組みます。そこで発信されたメッセージは次の3つ。

・コンプライアンス無くして、仕事無し、会社無し
・社会の常識と会社の常識のずれはないか
・世の中に役立つ良い仕事を積み上げよう

そして、このコンセプトのもとに多くの取り組みが行われます。その中の1つが「良い仕事」を見つめなおす運動です。事務局が世界各地を訪れ全社員に対して400回の「良い仕事ワークショップ」を展開します。並行して日経新聞に3回にわたって全面企業広告を打ったりもしています(3回目の奴がなかなか感動的です)。

「良い仕事ワークショップ」は外部のコンサルはいれずに、運営スタッフが自前で進めます。すべて手製で、担当者に優れたファシリテーション経験があるわけでもありません。ただ、もともとしゃべるのは大好きな社員が多い企業であり、ファシリテーターはあまりしゃべらない、変にリードしないとの手法をとります。しゃべっていない人から意見を引き出すこと、議論が一点に凝り固まっているとき(安易な社会貢献事業がいい仕事だとか…)に是正すること、機軸だけははずさせないように終始すること、がファシリテーターの意識にはあります。

とっても愚直で素敵な取り組みです。

中原先生が総括されていましたが、「良い仕事とは」という問いかけそのものにパワフルさがまずはあります。

まず「良い仕事とは」との問いかけには、主語を「私」で語らざるを得ない「自己言及性」が埋め込まれています。「良い仕事ワークショップ」の前にもいろいろな対話の会があったそうですが、どうしても主語は「会社が」「経営陣が」「組織が」「上司が」になり、つまりある意味では他責、傍観者の世界です。この主語が「私」になっただけで、まったく違ってきます。

そして、「良い仕事とは」という問いかけのもう1つの秀逸さは「曖昧である」ことです。曖昧ゆえに解釈の多様性が生まれ、ダイバーシティ耐性が生まれます。逆にこんな曖昧な議論をこんなに忙しい時期にやってられないだとか、会社が「良い仕事」の答えを提示すべきだという意見も招きます。

いずれにしても「良い仕事」という完成されていないWORDをベースに対話をすることによって、対話をする「私」自身が行間を埋めていかなければ、まっとうな対話にはならないわけです。渡辺さんが語られた以上にファシリテーションには手に汗握る瞬間があったのではないかと思いますが、どのような切口で「問いかけ」をするかは改めて大切です。「よい会社とは」ではまったく駄目だったでしょう。

このような思考をかりたてる言葉を「ドライビング・クエスチョン」というそうです。

《2009年12月6日》 文京学院大学にて谷内先生主催のSHRM研究会に参加。私はまだ5回目くらいですが、今回が27回目という筋金入りの実践コミュニティです。


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