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組織のコミュニケーションのお約束事「プロトコル」
だいぶ前の発刊ですが「Works」誌97号は、「コミュニケーション不全 解消のシナリオ」と題した意欲的な内容でした。以前に九州大学の古川久敬先生のお話を書きましたが、備忘録的に書き残しておきたい内容が多々あるので、少しずつ書いていきたいと思います。

今日はジェイフールの野田社長の「プロトコル」に関するお話です。勝手な脚色、意見も入っていますのでご興味のある方は「Works」誌97号の原文をご確認ください。

野田先生は、コミュニケーション不全を以前よりも強く感じるようになってきたのは、組織における「プロトコル」が失われ、組織が不安感で支配されているからだと指摘されています。

「プロトコル」とは、いわば「約束事」です。ベーシックな決めごとや暗黙のルールともいえますが、この部署では大きい声で挨拶をするものだ、この会社の会議では必ず発言するものだ、ここではあけすけに話すのは良くない……、いろいろと組織にはありますよね。

欧米では「プロトコル」は明示的なものです。
代表的なのはディベートのルール。ルールが明示されてそれに基づいてディベートが展開されます。これに対して、かつて日本にあった「プロトコル」は暗黙的なものでした。均一社会、緊密集団の中で濃厚かつ長時間に渡る場の共有の結果として築きあげてきたタイプのものです。そもそもは、地縁社会、農村共同体の存在がそのペースにあります。しかし、日本企業もこの仕組みを結果的に上手に活用してきました。長期安定雇用、新卒一括採用、企業丸抱えの福利厚生等の日本型人事制度は、企業の中に疑似農村共同体を作りあげ、暗黙的な「プロトコル」が成立する土壌を作り上げてきました。

ところがここにきて雇用関係を含めて社会環境が一変しました。中途採用の一般化、派遣・パート・アルバイト等の非正規雇用者の増大、果てはM&Aによる合従連衡、既に暗黙的な「プロトコル」が成り立つ土壌が崩壊してきているにも関わらず、新たなモデルが出てきていません。このような状況下では、時間をかけて「プロトコル」を醸成する旧来的な手法は通用しません。やはり、欧米的にある程度、明示的に形式知化していくことが求められます。

といっても難しいことから始める必要はありません。
例えば、朝の挨拶。
必ず「朝は元気におはようといおう」ということを「プロトコル」に定めます。おはようと大きな声で言っていれば、少なからず元気になります。野田先生は「自分の行為を通じて、内面から元気になれる。このプロトコルをやめた瞬間、元気になるチャンスを失ってしまいます」とまで言っています。

「コミュニケーションを良くしよう」というのは「プロトコル」にはなりません。具体的にどんな行動をすればいいのかわからない抽象度が残ったままだからです。「人の話は、そうだね、とまずは受け入れよう」「会議では必ず1回笑いをとろう」というのは「プロトコル」になります。具体的な行動がイメージできますし、やった・やらないが明確です。こんな「プロトコル」の積み重ねによって、結果的にコミュニケーションのあり方が変わってきます。

人を内面から変えることはそうそうできません。
ですから、まずは外側の行動から変えてみる。外面・行動を変えると、内側もいずれついてきます。コミュニケーションを変えるためにあれこれと考えさせるよりも、プロトコルを明示し、その型にはめることから開始するのが実は早道なのです。

《2010年1月12日》 1日合宿的な検討会。少しずつ温度感が上がってくれば良しと判断しています。


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【2010/01/12 23:06】 | コミュニケーション | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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