社会人教育の歴史変遷③1990年代~
学びYA第3回の「社会人学習の過去・現在・未来」の続きです。
今日は1990年代以降の「社会人学習」の歴史変遷をたどります。

その前に復習です。

【1960年代】ST(sensitivity training)の大流行
【1970年代】OD(organizational development)
【1980年代】パッケージ型プログラムの登場

ときていました(昨日のブログ参照)。
では、続きます。

【1990年代】グロービスによる革新

私もクリティカルシンキングのみ行きましたが、本当によくできたプログラムであり、運営の仕組みです。堀義人社長のグロービスが設立されたのは1992年です。
グロービスは3つの意味での革命をもたらしたといえます。
まずは、そのコンテンツですが、ケースメソッドを多用したMBAのコンテンツを一般の企業教育の中に紹介したのはグロービスが最初だといえます。そして2つ目の革命は、未開の市場であった個人市場を開拓したことです。それまでの社会人教育における個人市場向けの商品としては、唯一通信教育があっただけです(それもユーキャン以前は企業の自己啓発制度の傘の下での個人市場が大半でした)。グロービスのクラスは、は最初こそ法人契約によって会社負担で受講する人が多いものの、グロービスの世界に魅せられて、その後の講座を個人負担で受講し続ける人が相当数います。こういった機会も受講動機もそれ以前にはなかったものです。そして3つめの革命は「学びをなんとなくおしゃれで格好良いものにしたこと」でしょう。何といってもこれは大きいです。これがあったからこそ、個人市場というものが確立したともいえますし、学びの動機自体を変えるインパクトがそこにはあります。

【2000年代】諸子百家の時代

発展期ととらえるのがいいのか混迷期ととらえるのがいいのか、わずかな期間にさまざまな手法、切り口が誕生しました。そしてそれはまだ続いています。いずれも時代の風はとらえているのですが、時代の風自体が多様化したということでしょう。
コーチングが企業教育の中でも一般的になりました。パッケージ型量産対応モデルの継承者として、リンク&モチベーションなどの新興勢力が生まれてきました。教養回帰の流れも強まっています。慶應MCCのアゴラなんかもそうでしょうが、MBA型育成だけでなく、社会的視点にたった次世代リーダー育成のニーズに呼応しています。また、WEBが社会人教育の世界に登場してきています。Eラーニングは真の定着をみませんでしたが、ビジネスブレイクスルーは新しい世界を生み出しました。パッケージ型とは逆のアプローチで、セルムのような購買代理業モデルも生まれています。

昨日からここまで振り返ってきたように、10年毎にさまざまな流れが生まれているのですが、ポイントはいずれも新陳代謝ではないということです。産業能率大学も日本能率協会も日本生産性本部もいまだに健在ですし、STやODのアプローチもしっかりと残っています。流行が変わったのではなく、まさに多様化してきたのですね。日本社会の変遷の鏡のようでもあります。

多様化されたサービスが存在する世界では、それを選択する側、企画する側の眼力が問われます。いにしえの能力開発担当者とは異なり、今の能力開発担当者は膨大な情報の中で、取捨選択をしてコーディネートをする力なくしては職務をまっとうすることができなくなってきているといえます。おのずと求められるコンビテンシーも変わってきています。

そして、意識すぺき一番大きな変化と感じられるのは、社会人教育の受講動機、実施動機の変化です。
ここまで振り返ってきたとおり、最初は国策として取り入れられてきました。そして経済の成長とともに企業戦略の中に落とし込まれてきました。もちろんこの企業戦略の流れは健在ですが、新たな潮流として個人のキャリア動機が台頭しています。個人市場はますます拡大しています。背景には会社と個人の関係が変わってきたことが間違いなくあります。会社の境界線が強固で1つのワールドを作っていた時代は終わりました。会社が書いた人材育成シナリオに素直に乗っている日本人ビジネスパーソンは今や相当の少数派でしょう。

さて、なぜ人は学ぶのか、私たちの学びはどこにいくのか。

液状化した社会の中で漂流することを余儀なくされている私たちは、何かのよりどころを求めています。その1つが学びでもあるのですが、「学びと遊び(楽しさ)と仕事が重なる人が勝つ時代」だという中原先生の言葉は心に響きますが、はたして「何に勝つ」時代なのか、「何に勝つ」のが幸せなのかということ自体がちょっとわからなくなってきます。

《私の好きなSF小説 その39》 「奇想天外」誌出身ですよね。多作です。


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《2010年3月23日》 やること、決めることが多いですが、何とかしなければいけないときは、なるものです。分厚い4冊の課題図書も何とかなるかな。


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【2010/03/23 23:01】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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