ポジティブ心理学
「ポジティブ心理学」について整理してみます。

「ポジティブ心理学」は90年代終わりにはじまった心理学の運動であり、2003年にアメリカ心理学会のデータベースのキーワードにも登場するようになりました。そこでの定義は「精神病理や障害に焦点を絞るのではなく、楽観性やポジティブな人間の働きを強調する心理学の取り組み」とされています。

「ポジティブ心理学」の生みの親は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンといわれていますが、この方は実はもともとはうつ病の心理学的研究をしていた方です。ポジティブとはある意味、正反対の分野ともいえます。

未読ですが、ケンタッキー大学准教授のスーザン・C・セガストロームは、著作「幸せを呼ぶ法則~楽観性のポジティブ心理学」の中でポジティブ心理学を実践する上でのポイントについて以下のように紹介されているそうです。

・幸せになろうと、常に自分が幸せかどうか幸せの状況を監視していると、実は幸せになろうとする力が妨げられる
・楽観性は将来についての信念。楽観的な人は、不確実性を最良なことが起こるチャンス、と考える。
・人生の目標に従事することが幸せにつながる。人は輝きを維持するために新しい目標を常に追い求めることが必要。
・人は、お金持ちになるためや有名になるために目標を追及しているときはそれほど幸せではないが、人として成長したり、社会に貢献するときにはより幸せになる。
・社会的なネットワークがある人の方が風邪をひきにくく、疾病による死亡リスクが少ないなど、あらゆる種類の健康への良い影響を受けている。

「ポジティブ心理学」は、人間のネガティブな面を直せばよりよい人間になれるという治療的なスタンスには立っておらず、人間のもともと持っているよい部分、ポジティブな部分を伸ばしていくことによって、よりよい人間をめざしていくというスタンスをとっています。いうまでもなく、「ポジティブ心理学」は単なるノー天気な人間になろうという発想でもありません。あまりにもシンプルであからさまな名称なので、誤って理解される可能性がありえます。

神戸大学の金井壽宏先生は最新図書「人勢塾~ポジティブ心理学が人と組織を鍛える」(小学館)の中で、さまざまな切り口から「ポジティブ心理学」の考え方を組織と人に応用する方法を提示されています。確かに今の時代の人事の世界にこそ必要なアプローチであると実感します。この本、とてもお薦めです。

ちなみにこの本、「人勢塾」という金井先生が神戸大学で主宰された一連の研究会(全8回で第Ⅰ期は終了)の記録でもあります。「人勢塾」については、慶應義塾大学丸の内シティキャンパスでの昨年の第Ⅰ期「ラーニングイノベーション論」(東京大学中原淳先生担当)に金井先生が御登壇された際に初めて存在をうかがいました。とても気になっていたのですが、まさにこんなに早く書籍になるとは。なお、既に第Ⅱ期が開講中だそうです。

何となく一企業の発展よりも少し目線を先に置いて、日々の人事の業務に取り組む人が増えてきたような気がします。日本のこと、世界のこと……。特に日本と日本人の将来について、一企業の中でもしっかりとしたスタンスと思いをもって業務にあたる大切さというのを最近は感じます。たぶん「人勢塾」に参加された人事担当者の皆さまの中にもそんな方がたくさんいるのではないかと勝手に思ったりもしています。

金井先生のこの著書の中にも、日本を元気にしようという思いが詰まっています。

「人勢塾」 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える「人勢塾」 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える
(2010/04/05)
金井 壽宏

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幸せをよぶ法則―楽観性のポジティブ心理学幸せをよぶ法則―楽観性のポジティブ心理学
(2008/05)
スーザン・C. セガストローム

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《私の好きなSF小説 その65》 やっぱり日本SFで一番好きな作家はいまだに筒井康隆です。


七瀬ふたたび (新潮文庫)七瀬ふたたび (新潮文庫)
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《2010年4月18日》 今日は朝からキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座です。ここのところ忙しくてまったく復習ができなかったのが悔やまれます。 

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