人事のリスク ~ワークスシンポジウムから
28日のワークス・シンポジウムのテーマは「人事リスクと向き合う」。なかなか骨太のテーマでした。ちなみに今年度のテーマは王道で「人材育成」だそうですが、また楽しみですね。

ところで、リスクと危険の違いってわかりますか。

□【リスク】⇒未来の損害の可能性が、自らが行った決定の帰結である場合をリスクと呼ぶ。自らが行うゆえ、コントロールは可能。
□【危険】⇒未来の損害の可能性が、自分以外の誰かや何かによって引き起こされるものである場合、それは危険と呼ぶ。コントロールは不可能。

なるほど。つまりリスクは管理可能なわけです。また、すべてのリスクは自らの判断、意思決定の延長上に存在するということです。ちゃんとリスク管理をしないと、後悔しちゃうということになりますね。

これを人事の業務で考えようというのが今回の取り組みです。

この10年ほどで日本企業の人事は実に多くの意思決定を行ってきました。成果主義の導入、職務給への移行、周辺業務の非正規社員化、次世代リーダー育成施策、組織のフラット化……、ただし、それらのすべてが成功だったとはとてもいえません。

意思決定の帰結は大きく表・裏の2つに分かれます。

表の帰結は「本来得たい効果」が得られることであり、こればかりであれば万々歳です。そして、裏の帰結は「予期せぬ悪影響」。うーん、これはいろいろありそうですね。例えば、成果主義の弊害がいろいろといわれていますが、誰もそんなことを目指して成果主義なんかいれていません。当事者からみれば「予期せぬ悪影響」に他なりません。

実はこの「予期せぬ悪影響」というのが、まさに「リスク」なのだと考えることが出来ます。ですから、リスク管理というのは、予期せぬ悪影響を最小化する、もしくは予期せぬ悪影響が発生した場合にそれを潰す仕掛けをする、ということになります。

分科会に移る前には、いつものとおり野田先生と大久保所長が掛け合いで、今日のシンポジウム各分科会の内容を説明するのですが、今回は以下の切り口でリスクを切り分けての分科会構成となりました。

□雇用にかかわるリスク
・年齢構造の歪みを問題視する企業が79.2%にのぼる
・違法とされた非正規社員の雇い止めが37件にのぼる
・派遣法の改正により、17.2万人が失業

□人材育成にかかわるリスク
・67%の若手社員が上司からマイナスの影響を受けている
・9割の企業が、次世代リーダーの育成を課題と認識
・現場判断による課長の任用は、54%が人材の塩漬けを招いている

□組織運営にかかわるリスク
・組織リスクはストレス総量に比例する
・自己信頼を感じていない人が54.9%にのぼる
・管理対象者数が増えたと回答する管理職が35%、年上の部下増加が68%、非正規の部下増加が78%

□従業員の健康のリスク
・従業員の心の健康を人事課題にあげている企業79%
・ストレスの原因の4割は職場の人間関係

□人事制度にかかわるリスク/不祥事のリスク
・売上減の制度変更がモラールを下げる81.6%
・軽佻なミスであれば報告しないという正社員10%、パートタイマー6%(正社員の方が報告をしない)

こう考えていくとリスクだらけで怖いですが、リスクがあるから判断に価値があるといえます。
ただし、いずれにしても人事リスクが相当に増大している時代だということを十分に理解しておく必要はありますね。

《2010年5月30日》 キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座に終日参加。このところ週末、お休みなしです。疲れるのもありますが、家族にも恐縮です。今日は、カウンセラーの倫理について。gcdfにも倫理規定がありますが、倫理規定のできたストーリーに思いをはせると、それは先輩カウンセラーたちの失敗の歴史、後輩が同じ失敗をしないようにと作ってくれたのが倫理規定だといえます。倫理規定を考えることは、リスクを考えること。ということで話がつながりますが、リスクはコントロール可能なのです。



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【2010/05/30 22:00】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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