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僕はこの会社が好きだから
昨日の続きです。

企業内スポーツ選手の引退時のキャリアカウンセリングの話ですが、「個人のキャリアは連続する1つのもの」であり、引退後の仕事を第2のキャリアなどと考えずに、過去の経験で得られた強みを再認識し、新たな業務で必要な知識・スキルをどん欲に得られるようなマインド作りを支援する、といったような話だったと思います。

これはこれでそのとおりなのだが、という正し書き付きで、花田先生からは鋭い指摘が。

そうはいっても転身は難しいものです。
今から営業を真剣にやって自分は果してマネージャーまで上がれるのだろうかという不安が1つある、また実際にロジカルに物事を考えことであるとか、ビジネスの基本的なスキルを学んでこなかったという不安感もある、そういったことを本当に乗り越えていかなければならない現実があるわけです。

そう考えていくと、本当にその人にとって転身が幸せなのか、いっそその企業は辞めてしまって、地域スポーツの分野で活躍でもした方が、適性にも合致し、これまでの経験そのまま活かすことができ、実は幸せなのではないか、企業内キャリアアドバイザーといえどもそんに視点も必要だと、こんな指摘をされるのです。ちょっと、ドキッとします。

多くの選手は「僕はラグビーをやめてもこの会社が好きだから」といって会社に残って頑張りたいんだといいます。しかし、本当にそれが良いのか。「個人のキャリアは連続する1つのもの」という考え方はそのとおりだが、人によってはその連続的なものをあえて断ち切る勇気も必要な時があるのではないか、「この会社が好きだから」という言葉は、それをあきらめる免罪符ではないか、単に勇気を持てないいいわけの言葉ではないか、本当は別の仕事をしてまで会社に残りたくなんかないのだが、そっちの道にはもうオファーがないから、不本意ながらも今の安定を捨てるリスクをとれないだけなのではないか、…いろいろな考えが渦巻きます。

これも似たようなことは日常的に普通の会社でも起こっていることです。

ある専門性を磨いた人が、専門分野以外の部署に異動させられる、その異動経験がもともとの専門性にプラスになるのであれば、経験と思って精進するのでしょうが、自分からみてどう考えてもキャリアの断絶と感じる場合、果たしてどうすればいいのでしょうか。

「個人のキャリアは連続する1つのもの」と考え、これまでの業務の経験を新たな業務でも活かし、新たな業務に求められる知識やスキルを習得するように精進するのは1つの答えです。そして、新たな分野が自らの新たな専門性になっていくというハッピーなケースも非常に多いでしょう。

しかし、昨今のような企業内専門家のレベルが上がってきた時代では、異なる判断が徐々に増えてくると思われます。企業を移るリスクよりも、専門分野を変えるリスクの方が高いと思う人も増えてくるでしょう。スポーツ選手の場合は、年齢とともに現役としてのスポーツ選手は少なくとも継続できないという絶対的な制約がありますが、普通の企業人の専門性においては、加齢の影響はスポーツ選手に比較するとかなり少なくなるだけに、なおさら難しいところがあります。もちろん、転職市場における年齢の問題はありますが。

「僕はこの会社が好きだから、今回の異動は不本意だけど、次の職場で頑張るよ」

なんか綺麗な言葉ですが、「僕はこの会社が好きだから」という言葉で、多くのものを諦めてしまっている場合がないでしょうか。「僕はこの会社が好きだけど」といって一歩踏み出す選択肢もあるはずです。「僕はこの会社が好きだから」という言葉が、自らリスクを取れない、その安易な言い訳に使わけてはいないでしょうか。それに対して、キャリアアドバイザーはどんな支援をすることが適切なのでしょうか。

いずれにしても、「僕はこの会社が好きだから」は、要注意フレーズです。

《2010年7月20日》 夕方から中国人留学生の皆さんとのビジネス研究会。中国人向けビジネスが過熱化しつつする中、研修生も入れて7万人いるという中国人留学生は取り組み次第ではものすごいインフラです。何かここからビジネスが生まれるようにしたいと思っています。人事も事業支援にとどまらず事業の触媒役になりたいですね。それにしても、留学生の皆さん、1人ひとり本当に魅力的なメンバーです。


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