キャリアをめぐる状況の変化
遅ればせながら少しずつ復習をしていきます。

キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座第10回、青山学院大学の山本寛先生による「組織内キャリア発達の理論と実際」の講義からです。事前課題図書がアカデミック丸出しだったので心配していましたが、素敵な先生で、いろいろと視点の整理ができました。

キャリアカウンセラーは、キャリアとは何か、キャリアが発達するとはどういうことか、キャリア・アップとは何者なのかといったことを自分の言葉で説明できなければなりません。そのためにいろいろな先達の理論を学ぶといってもいいのかもしれません。

講義の冒頭では、勤労者のキャリアをめぐる状況の変化について改めて整理をしました。

終身雇用、年功処遇が中心の時代にあっては、組織内キャリアが中心でした。昔でいえば、都市銀行に入ったら3分の1以上は支店長になれるとの暗黙の了解があり、多くの中高年は2000万円くらいは退職金はもらえると思い、キャリアに関しては組織任せで思考停止状態でよかったわけです。

それが、あっという間に社会が変わり、目安が立たない時代になってきました。1人ひとりが自己のキャリアを設計していななければ、誰かにそれを任せ切ることができない時代になってきたのです。

また、一律な社会基準によるキャリアアップ志向をベースにした、一律のキャリアアップ目標自体が機能不全に陥ってきています。つまり、昇進と昇給という餌で一律に従業員をコントロールすることができなくなってきたわけです。その背景には、非上昇志向的人材が増加してきたことにより、昇進が満足のいくキャリアとはならなくなってきたことなどがあります。

そんなわけで、キャリア満足度を高めるためには、自分自身が持っている主観的な基準、例えば価値観、能力、興味、性格等との一致度が重視される傾向が強まってきています。いわゆる、自分らしいキャリア、自律的なキャリア、勝ち負けのないキャリアとでもいう奴ですね。しかし、自己分析はやはり重要になります。ブランド・ハプン・スタンスが流行したり、綿密にデザインするキャリアは難しいという話は確かにそうであるものの、自分自身について何も考えなくてもいいという意味ではありません。

従来いわれていた「自律性」というのは、単に毎日の仕事を上司の指示によらずに自主的にできるという「仕事の自律性」が中心でした。それに加えて、現在ではキャリアの開発を組織に頼らずに自分で設計・展開するという「キャリアの自律性」が重要視されてきています。

そうなると働く目的は、「組織のため」から「仕事のため」への移り、さらには「仕事のため」から「キャリアの(蓄積の)ため」に移っていくことが想定されます。

法政大学の諏訪先生は以前から「キャリア権」という概念を提唱されています。これは、マクロ視点からみた新しいキャリア概念であり、「人間には一人ひとりの能力や意欲や適性が尊重され、キャリアを積んでいく基本的な権利がある」と考えるものです。この概念をベースに考えれば、国は雇用政策を超えてキャリア政策へ切り込む必要がありますし、企業も雇用責任だけでなく、キャリア権を重視した施策が求められることになります。

まじめに整理したら疲れたので、明日に続きます。

《2010年7月22日》 毎週木曜日の朝、出社時刻前に人事内でミニミニ勉強会を企画いています。人事メンバーは、中にだけいることは許されないので、それぞれ毎週何かを学びに外に出ていきます。そんな学びを共有化する場です。発表者にはしっかりとしたリフレクションの場となります。いい企画だと思いませんか。


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