人事の書棚から104-107
続き時は続きます。3日連続で「人事の書棚から」です。

人事の書棚から:104 「サーバントリーダーシップ入門」

資生堂の池田元社長と神戸大学の金井壽宏先生の共著です。組織やメンバーを協力に引っ張っていくリーダー像ではなく、ミッションに向かって自発的に歩み始める人を後押しすることによって、組織目標を達成に導くようなリーダーシップをサーバントリーダーシップといい、かなり一般的な概念になりつつあります。
5代の社長に秘書として仕えたという池田元社長が、今度は社長として改革をリードする役回りについたとき、考え抜いた末でたどり着いたのが改革の原動力となる社員達をサーバントとして支え、ゴールに導くという方法だったといいます。そして、池田元社長の改革に理論的な支えを提供したのが金井先生です。フォロワーがリーダーに心からついてくるためにも、リーダーはフォロワーに奉仕する、そんな考え方なのですが、内的動機付けが重視される今日においては、非常にフィットするリーダーシップ論だと思います。ただし、「サーバント」という言葉の力がやや強すぎて、知らない方に対する説明には苦慮するところがあり、よく考えて使わないとまだまだ誤解されかねない概念でもあります。

サーバントリーダーシップ入門サーバントリーダーシップ入門
(2007/11/06)
金井 壽宏池田 守男

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人事の書棚から:105 「踊る大捜査線に学ぶ組織論入門」

金井壽宏先生と、田柳恵美子氏の共著。なぜ、こういう順番で取り上げたかというと、踊る大捜査線の映画化第三弾(「踊る3」)の中で、なんと「サーバントリーダー」という言葉が使われているのです。これは、本庁と所轄の相反する思いと利害を調整する役として登場する補佐官が自らの立場を説明する中で出てくるのですが、「サーバントリーダー」=「調整役」という誤ったイメージで見る人には伝わってしまいます。これは困ったことです。けして、調整役ではありませんし、「踊る3」のような両者の妥協点を強引に作る役割ではありません。
実は本書の中でも、サーバントリーダーに結構なページを割いています。室井審議官が「踊る2」の最後で「全捜査員、聞こえるか?自分の判断で動いてくれ。本部への報告は厳守だ………現場の君たちを信じる」と呼びかける感動的なシーンがありますが、そこを取り上げて、この根底にあるものこそが、サーバント・リーダーシップであると説いています。すなわち、ビジョンを言葉にして人々に呼びかけ、問題解決のためのコミュニティを組織化し、人々を説得し、権限を委譲し、主体的参加を促す、ということです。「踊るシリーズ」のテーマの1つでもある官僚主義とは対極にあるものです。
本書の説明がまったくされていませんが、踊るシリーズをみていると誰しもが組織論を云々いいたくなりますよね。それを本気でやっちゃったのが本書です。しかし、キワモノではなく、まじめな組織論の入門書として読むことができる出来上がりになっています。さすがです。

踊る大捜査線に学ぶ組織論入門踊る大捜査線に学ぶ組織論入門
(2005/09)
金井 壽宏田柳 恵美子

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人事の書棚から:106 「働くひとのためのキャリアデザイン」


こうなったらもう、今日は金井壽宏先生通しで行きます。これ2002年の発刊ですから、もう8年前の本になります。
金井先生のこの手の本は、古今東西の理解しておくべき理論が平易に紹介されているのも魅力です。リーダーシップ論であれば「リーダーシップ入門」を、モチベーション理論であれば「働くみんなのモティベーション論」「危機の時代の「やる気」学」あたりを読めば、いっぱしの理論家気取りができます(もちろん、それだけで理論家を気取ってはいけません)。本書では、金井先生の持論でもある「キャリアドリフト」(つまり、デザインしない)と「節目でのキャリアデザイン」の話がしっかりと理解できるように書かれています。キャリアの入門書としても、適しています。

働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)
(2002/01)
金井 壽宏

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《2010年8月18日》 先週夏休みだったこともあり、ちょっと忙しいです。暦は休んでも仕事は休んでないもんだなぁとつくづく思います。でも、忙しいというのはありがたいこと。


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